ユービーアイソフトは昨年相次いだ幹部らによるセクハラや暴行の告発を受けて取り組んできた、ハラスメント対策の進捗について声明を発表している。
最高経営責任者のイヴ・ギユモは声明で社員からの告発を受けて、「安全でお互いを尊重できる職場」を作るために実施してきた施策について述べており、匿名性が保証された相談窓口など、従業員が不適切な行為を通報できるよういくつかの新たな相談窓口を設置したことを明らかにしている。
通報された内容は「公平性を保証するために、独立した外部の企業が対応を行う」という。また、この通報制度によって「一連の調査を開始し、その結果に基づいて研修、懲戒処分、解雇などの適切な措置を講じることができました」と続けている。
さらに、従業員らが匿名のアンケートを含むグループ全体の様々な評価に参加し、グループ形式でのディスカッションなどが実施されている。外部企業と提携して、人事に関する採用・評価等のプロセスや規程の監査も行っている。これらの取り組みの結果、社内の公正な行動規範は「より明確で、より理解しやすく、より実行可能なもの」に更新されたとしている。
企業文化の担当責任者を任命したり、グローバル・ダイバーシティ&インクルージョンの担当部長を配置するなど、複数の幹部の人事異動も発表している。イヴ・ギユモは次のように続けている。「取り組みに大幅な進展があったので、ハイテク産業界で模範的な職場になることを目指して、今後も努力を続けていきます」
「私を含めた経営陣にはチームの模範となるように行動する責任があります」と彼は語っている。「私は職場の文化を改善し続け、ユービーアイソフトに現実的かつ永続的でより良い変化をもらたすという、私個人のコミットメントをここに表明したいと思います」
この声明は、フランスの日刊紙『ル・テレグラム』の報道を受けたものとなっている。同紙はユービーアイソフトが昨年の騒動の後、最小限しか社内体制の改善を行わなかったと報じており、同社はこれを否定している。
2020年、イヴ・ギユモはセクハラや暴行疑惑の告発が相次いだことを受けて、職場でのハラスメントや不正行為に対し「社内体制の変革」に取り組むことを約束していた。またこの疑惑をめぐり、同社は『アサシン クリード ヴァルハラ』のクリエイティヴ・ディレクターであるアシュラフ・イスマイル、ユービーアイソフト・シンガポールのマネージング・ディレクターであるユーグ・リコル、元編集担当部長のマキシム・ベランドなど、複数の幹部が辞任している。
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