Photo: Chris Barraclough

2017年にNintendo Switch専用コントローラ「Joy-Con」が発売されてから、多くのユーザーがJoy-Conに発生するドリフト現象に悩まされてきたが、発生する原因は製品の設計上の欠陥にある可能性が高いことが明らかとなっている。

イギリスの消費者団体「ウィッチ(Which?)」は最新の調査結果を発表して、Joy-Conを使ってゲームをした時にアナログスティックが勝手に動いてしまう「ドリフト現象」は製品の設計に欠陥があるため発生していると指摘している。Joy-Conを新調すると約62ポンド(日本では税込8,228円)もかかってしまうため、Nintendo Switchユーザーにとってはドリフト現象が悩みの種となっている。

「ウィッチ」はある研究所にドリフト現象が発生するJoy-Con5セットを送付して、調査を依頼している。Joy-Conを解体して調査した結果、製品の設計上の欠陥がドリフト現象を引き起こしている可能性が高いことが判明したという。

これまで、Joy-Conのドリフト現象はコントローラの内部にホコリが溜まって発生するという説が有力となっていた。「ウィッチ」の調査報告によれば、Joy-Conの内部のパーツに防塵シートが使われているが、このシートの防塵機能は不十分であり、解体したJoy-Conの内部からはホコリや「その他の不純物」が検出されたという。

また、Joy-Con5セットの使用期間はわずか数ヶ月間だったが、いずれもプラスチック製の(アナログスティック部分の)基板に著しい摩耗が見られたという。調査を実施した研究所は製品の設計に欠陥があり、基板が摩耗することでドリフト現象が発生すると結論を下している。

「ウィッチ」は任天堂に「ドリフト問題への対応」を要請し、イギリス国内のユーザーがJoy-Conでドリフト現象が発生したため、製品を買い直したと証明できる場合には、補償または返金を行うべきと主張している。また、対象となる全てのユーザーが返金制度を把握して、サポートや補償、返金を受けられるように告知すべきとしている。さらに、2017年以降にイギリス国内で販売され、ドリフト現象が発生した全てのJoy-Conを対象に無償で修理または交換サービスを提供する必要があると付け加えている。

任天堂は本件について、問題が発生したJoy-Conの数は「少なく」、「2017年の発売以降、Joy-Conのアナログスティックを継続的に改良させている」とコメントしている。

「全てのハードウェアは正常に動作するように設計されています」と、任天堂はコメントしている。「お客様のJoy-Conのアナログスティックが正常に動作しなくなったとしても、また修理保証サービス(ワイドケア)をご利用でないとしても、問題を解決できるよう、常時、任天堂サポートでお問い合わせに対応できる体制を整えております」 任天堂の公式サイトでは、ドリフト現象が発生したJoy-Conの修理を受け付けている。

https://www.nintendo.co.jp/support/repair/index.html

任天堂がJoy-Conのドリフト現象に関して批判を受けるのは今回が初めてではない。昨年、欧州消費者団体は任天堂に対してJoy-Conのドリフト問題を調査するよう要請している。また、同社に対しては複数の集団訴訟が提訴されており、2019年にはチミクルス・シュウォルツ・クリナー&ドナルドソン・スミス法律事務所が提訴し、続いて2020年には2件目が提訴されている。

その他のニュースとして、サッカーゲームの『FIFA』シリーズを手掛ける開発元のエレクトロニック・アーツは今年度もワールドカップの優勝チーム予想を的中させており、予想的中はこれで4大会連続となっている。

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