アクティヴィジョン・ブリザード社は現地時間4月11日のプレスリリースで、企業風土の改革を推進する「ダイヴァーシティ&インクルージョン」担当役員として新たにクリステン・ハインズを任命したと発表している。
『コール・オブ・デューティ』シリーズの開発元として知られるアクティヴィジョン・ブリザード社は、クリステン・ハインズを4月25日付で多様性・公平性・包括性(「ダイヴァーシティ&インクルージョン」)の推進を担う担当役員に任命したと発表している。
プレスリリースでは、クリステン・ハインズが「多様性に富み、公平かつ差別のない職場環境の実現に向けて様々なプログラムの施行や方針を定めていく」と説明されており、アクティヴィジョン・ブリザード社の各開発チームと連携を取りながら、ストーリーやキャラクターなどのゲームデザインの面でも社員の多様性を反映させていくという。
クリステン・ハインズは2006年からコンサルティング会社アクセンチュアでマネージング・ディレクターを務めており、各社員の個性を尊重する公平な社内環境づくりに取り組んだ実績がある。
クリステン・ハインズは同様に社内環境の改善に取り組んでいるアクティヴィジョン・ブリザード社にとって重要な役割を任されることになる。同社のCEOであるボビー・コティックは2021年10月に同社の公式サイトで、今後5年間で女性やノンバイナリーの社員数を50%増やしていくとしている。
ボビー・コティックはクリステン・ハインズの役員就任について「アクティヴィジョン・ブリザードには、ゲーム業界で最も多様性に富んだ企業になるという大きな目標があります」と述べて次のように続けている。
「当社はすでに労働環境を整えて社員の生活をより良くするという面で大きく前進しています。今回クリステンをリーダーシップ・チームに迎えられることを嬉しく思います。当社の環境をよりよいものにしてくれるでしょう」
マイクロソフトは1月、アクティヴィジョン・ブリザード社の買収を発表している。これに対してアメリカの4人の上院議員が現地時間3月31日、マイクロソフトがボビー・コティックを擁護しており、彼は労働者が企業に求める説明責任を果たしておらず、今後ゲーム業界全体に悪影響を及ぼしかねないとして連邦取引委員会に報告している。ボビー・コティックは買収が発表される以前から、アクティヴィジョン・ブリザード社内で起きていたセクシャル・ハラスメントを隠ぺいしていたことが明らかになっており、辞任を求める請願書に1300人を超える社員が署名していた。
アクティヴィジョン・ブリザード社は4月7日に約1100人のQA(品質管理)スタッフを昇給付きの正規社員として雇用したばかりで、クリステン・ハインズの役員就任はこの件から1週間も経過していない。一方同社は、QAスタッフの労働条件の改善を求めて、同社傘下のレイヴン・ソフトウェア社で結成された労働組合「アクティヴィジョン・ブリザード社・ワーカー・アライアンス」に加入した社員らには昇給措置を取っていない。
その他のニュースとして、任天堂は京都市の本社に隣接する市有地を取得し、研究開発(R&D)を強化するために新たなゲーム開発向けビルを新設することを発表している。
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