レーシング・ゲーム『グランツーリスモ7』は課金制度が原因でレヴューサイト『メタクリティック』のユーザースコアに非常に多くの「ネガティヴ」評価が寄せられていることが明らかとなっている。
記事執筆時点で『メタクリティック』での『グランツーリスモ 7』のユーザースコアは10.0点中1.8点となっている。ゲーム情報サイト『ユーロゲーマー』によれば、このユーザースコアはこれまでにソニー・インタラクティブ・エンタテインメントが販売元となった作品のなかで最も低いものになっているという。
『メタクリティック』での『グランツーリスモ7』のユーザースコアはここ数週間で急落しており、ユーザーはレヴューを投稿して、ゲーム内の問題点に対する思いを綴っている。
『グランツーリスモ 7』は3月17日から1日以上(約30時間)メンテナンスとなっており、プレイできない状態が続いていた。そこから『メタクリティック』では「ネガティヴ」のレヴューが増えていたが、復旧した際に『グランツーリスモ』シリーズ公式サイトのブログ記事で『グランツーリスモ 7』のクリエイターの山内一典が謝罪と報告を行っている。
『メタクリティック』の「ネガティヴ」レヴューの過半数はメンテナンス後にリリースされた「1.07アップデート」に関するものとなっている。このアップデートではゲーム内イベントの報酬金が減少し、無課金でクルマをアンロック(入手)することが難しくなっている。
開発元のポリフォニー・デジタル社がクルマをアンロックできるよう、プレイヤーに課金させようとしているというレヴューが『メタクリティック』に数多く寄せられている。ゲーム内の課金制度については3月4日のリリース直後の時点で、ファンからすでに批判の声が寄せられていた。
あるユーザーは『メタクリティック』に「課金制度のせいで、ゲーム内経済と作品の評価が台無しになりました」とレヴューを投稿しており、別のユーザーはこのゲームを買ったことを「ひどく後悔」していると投稿している。
さらにまた別のユーザーは次のようにレヴューを投稿している。「ポリフォニー社とソニーの対応は全くもってひどいものです。今回初めてレヴューを書きますが、熱心なファンから可能な限り搾取する対応を警告しなければと思い、投稿しました」
「1.07アップデート」で変更されたゲーム内の報酬に関する書き込みも複数寄せられている。
あるレヴュー投稿者は「私は幼い頃から『グランツーリスモ』のファンですが、かつてないほどがっかりしています。このゲームは未完成で、(前作の)『グランツーリスモSPORT』からほとんど改善がみられず、アップデートでレースでの報酬金がかなり減額されました。レアなクルマを入手するためにはゲームを1日に12時間以上やりこむか、数百ポンド(数万円)を支払うことになります」と不満を述べて、他のファンに対してゲームのボイコット(不買運動)を呼びかけている。
『メタクリティック』ユーザーのErnestFisyは課金制度について「腹立たしい」と述べて、最新アップデートを「ペイ・トゥ・ウィン(課金したプレイヤーが圧倒的に有利になること)を助長するひどいアップデート」と評価している。
『グランツーリスモ』のサブレディットでは、課金に対するボイコットを呼びかける投稿に1,800以上のアップヴォート(レディットでの“いいね!”)と200以上のコメントが寄せられている。
シリーズの生みの親である山内一典は課金制度について公式サイトで次のようにコメントしている。「GT7では無課金でも多くのクルマとレースを楽しんでもらいたいと考えています。同時に、クルマの価格も、その価値や希少性を表現する大切な要素ではあるので、実勢価格とのリンクは必要です」
山内一典は「GT7は、多様な手段で様々なクルマを楽しめるゲームにしていきたいと考えていて、特定のイベントだけを、機械的に繰り返しプレイせざるをえない状況は、できるなら避けたいと思っています」と続けて、今後のアップデートの計画は後日お知らせするとしている。
その他のニュースとして、ゲームエンジン「ユニティ」の開発元であるユニティ・テクノロジーズは自社のエンジンを用いて制作したシネマティック・デモ『エナミーズ』のティーザー動画を公開している。
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