Photo: Hiroshi ‘Mr Dotman’ Ono

「Mr.ドットマン」の愛称で知られるゲームクリエイターの小野浩が10月16日、長い闘病の末に逝去したことが公式ツイッター・アカウントで報告されている。享年64歳だった。

ゲーム情報サイト『オートマトン』によれば、小野浩は先ごろ「自己免疫性肝炎の疑い」で闘病中だったという。

ナムコでピクセルアーティストとして活躍した小野浩は『ギャラガ』のスプライト(ゲーム内のキャラクターを動かすグラフィック技術やグラフィックそのもの)を制作したほか、『パックマン』、『ディグダグ』、『ゼビウス』などのグラフィックデザイナーとして作品に携わっている。

小野浩が手がけるスプライトデザインは当時のゲームの限られたメモリ容量を最大限に活かしており、彼の表現性に富んだグラフィックアートは今でも多くのファンや他のゲーム開発者たちを魅了している。また、彼はファンの間では通称「Mr.ドットマン」と呼ばれていた。

海外のゲームブログ『コタク』の情報では、小野浩は1979年にナムコに入社したが、ナムコの人気絶頂期にはゲーム内のスタッフロールでほとんどクレジットされていなかった。2013年にナムコ(後のバンダイナムコ)を退社し、フリーランスとして活動していた。

『ギャラガ』の企画担当にして生みの親でもある横山茂はバンダイナムコが運営している『ギャラガウェブ』で2011年に行われたインタビューで製作当時のことを語っており、彼の作成したコンセプトアートをもとに小野浩が最終的にゲームで使用されたスプライトデザインを担当したと説明している。

横山茂は次のように続けている「ナムコではこのゲーム(ギャラガ)から、こういうキャラクターをいわゆるデザイナーって人がデザインするようになったんですよ。デザインを勉強した専門家の小野さんが初めて書いてくれたのが、このキャラクターなんですよ」

同じくバンダイナムコの社員で、『鉄拳』のゲームディレクターである原田勝弘は「ご冥福をお祈りします。小野浩先輩、ありがとうございました」とツイートし、追悼の意を表している。

また、『ベア・ナックル』の作曲者である古代祐三は「彼のピクセルアートは私の世代に強いインスピレーションを与えただけでなく、時代を超えて愛され続けていることに感銘を受けました」とツイートし、敬意を表している。

今回、ファンたちが小野浩の半生を映画化したドキュメンタリーを作るためにクラウドファンディングで資金を募りはじめた矢先の訃報となった。このプロジェクトは小野浩を「伝説のドット絵師」と呼び、彼が80年代のビデオゲーム黄金期に大きく貢献したことを伝えるためにドキュメンタリーの制作を目指している。

小野浩が亡くなった後にクラウドファンディングのページが更新されている。このプロジェクトの「発起人」である山本周史は「本プロジェクトの各コースを閉じることが叶わず、オープンのままになっております」と、制作が継続されることを公表している。

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