Photo: Albert L. Ortega/Getty Images

映画監督のギレルモ・デル・トロがポッドキャスト番組で「2度とゲームの制作に携わることはないと思う」と発言して話題となっている。彼は12月10日に開催された「ゲーム・アウォーズ2021」にプレゼンターとして登場しており、イベントでは自身の新作映画『ナイトメア・アリー(原題)』のトレイラー動画も披露している。

ゲームのニュースサイト『ゲームスポット』によると、ギレルモ・デル・トロは先日ポッドキャスト番組「ハッピー・サッド・コンフューズド」に出演した時に自らを「ゲームの神様に愛されない男」と表現すると「もう2度とゲームの制作には携わらないと思います」と語っている。彼は出世作の『パンズ・ラビリンス』や2017年のアカデミー賞で2部門に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』等、ダーク・ファンタジーを中心に数々の映画を世に送り出しているほか、映画作品のゲーム化にも携わっている。

ギレルモ・デル・トロは過去に『インセイン』と『サイレントヒル』シリーズ続編の2つの注目ゲーム・タイトルの制作に携わったが、いずれの作品も発売されることはなかった。『インセイン』は『セインツ・ロウ』シリーズの開発で知られるボリションと共同で制作が予定されていたサバイバル・ホラー・ゲームだったが、2012年に開発中止が発表されている。

その後、大人気ホラー・シリーズ『サイレントヒル』の続編制作への参加が発表されると、彼は当時コナミに在籍していたゲーム・デザイナーの小島秀夫とともに開発に取り組み、デモ版となる『PT(プレイアブル・ティーザー)』が配信された。この『PT』には後に2019年にリリースされたコジマプロダクションの処女作『デス・ストランディング』にも出演している俳優のノーマン・リーダスが登場しており大きな反響を呼んだが、その後のプロジェクト中止に伴い2015年4月に配信が終了している。

ギレルモ・デル・トロは当時を振り返って「生きていればいくらでも納得できないことがありますけど、(『サイレントヒル』続編の中止も)その1つですね」と述べている。また、先日の「ゲーム・アウォーズ2021」で初代『サイレントヒル』の演出を賞賛してシリーズの新作開発を熱望するような発言をしたことについては、「ちょっとふざけました。まだ割り切れなくて。デモ版の『PT』は最高の出来だったし、私たちが思い描いていた『サイレントヒル』の続編は非常に魅力的でしたから」と釈明している。

『サイレントヒル』の続編制作は中止となったがギレルモ・デル・トロと小島秀夫の親交はその後も続いており、『デス・ストランディング』にギレルモ・デル・トロが「デッドマン」役でカメオ出演している。その後、ギレルモ・デル・トロはゲームの制作には携わっていない。

今回の発言は、オンライン上で様々な波紋を呼ぶこととなった。さらに「ゲーム・アウォーズ2021」で『サイレントヒル』の生みの親である外山圭一郎の新作ホラー・ゲーム『野狗子(やくし):スリッターヘッド』が発表されたことで、ギレルモ・デル・トロが参加して『サイレントヒル』の新作開発が行われているのではないかと推測する声も上がっていたが、彼はこの噂を否定している。

その他のニュースとして、アトラスは2022年3月17日に発売予定の『ペルソナ4 ジ・アルティマックス:ウルトラスープレックスホールド リマスター版』の最新情報を公開しており、同タイトルにはキャラクターを育成しながらダンジョンの最上階を目指す新モード「ゴールデンアリーナモード」が登場することが発表されている。

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