エレクトロニック・アーツは『FIFA22』内で使用できる「バンジャマン・メンディ」の選手カードについて「販売価格を固定」したことを明らかにしている。バンジャマン・メンディはマンチェスター・シティFCに所属するサッカー選手で、8月に性的暴行の容疑で起訴されており、2022年1月に裁判を控えている。
今回の起訴を受けてエレクトロニック・アーツは「バンジャマン・メンディ」を『FIFA22』から削除しているが、ゲーム・モード「FIFA アルティメット・チーム (FUT)」で使用できる選手カードといったオンライン・アイテムの削除は困難となっている。
同社は9月29日に「バンジャマン・メンディは、マンチェスター・シティFCとフランス代表チームの登録名簿から削除されています。『FIFA22』でも彼の裁判の結果が出るまで『FIFA アルティメット・チーム』パックと『アルティメット・ドラフト』で『バンジャマン・メンディ』を削除し、選手カードの排出を停止しています」と発表している。
『FIFA22』の発売は10月1日であったものの、「EAプレイ」に加入していれば同タイトルの本編をトライアルで10時間にわたって先行プレイできたほか、プレイステーション版を予約している場合にも同様に先行アクセスが可能となっていた。そのため、エレクトロニック・アーツは変更前の『FIFA アルティメット・チーム』パックには「バンジャマン・メンディ」のデータが一部残っていることも明らかにしている。
「『FIFA アルティメット・チーム』パックの変更は『EAプレイ』の先行アクセスが開始された翌日に行われたため、変更前にアクセスした一部のプレイヤーが『バンジャマン・メンディ』のカードを入手していることを確認しています」
また、「EAプレイ」はXboxゲーム・パスに含まれているため、同タイトルの10時間トライアルはこれまでにないほど多くのプレイヤー数を記録している。
エレクトロニック・アーツは同選手のカードが不当に利益を生まないように対策を講じており、「現在流通しているカードはすべて販売価格が固定されています」と述べている。レスター・シティFCに所属していたエミリアーノ・サラが2019年に飛行機事故で亡くなった際も、エレクトロニック・アーツは『FIFA19』の「アルティメット・チーム」モードから同選手を削除していた。これを受けてアルティメット・チーム版のカード価値が高騰し、買いだめするファンが出ていた。市場から同選手のカードが完全に削除されるわけではないものの、既存カードの「販売価格を固定」することによって、「バンジャマン・メンディ」のカードを設定された価格以上で販売できなくなるため、価格の高騰を防ぐことができると見られている。
現在、ゲーム内で「バンジャマン・メンディ」の選手カードの最高販売価格は5000コインに設定されており、カードの所有者がこれ以上に価格を上げることができないようになっている。一方で、すでに取引市場では1000枚を超える同選手のカードが出回っているという。
「バンジャマン・メンディ」の選手カードを含んだ状態で先行プレイを配信してしまったが、「販売価格を固定」してしまうことがカードを求めて課金したプレイヤーに対する最善の対応であったと考えられる。少なくとも不当に利益を得るプレイヤーが出てしまうような事態の抑止につながると見られている。しかし、1000枚以上のカードがすでに市場に出回り購入できるようになっていることから、「バンジャマン・メンディ」が今後『FIFA22』から完全に削除されることはあるのか疑問が残る。
その他の関連ニュースとして、サッカー・ゲーム『eフットボール 2022』の配信が9月30日から全世界で開始されている。
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