Photo: Victor Blackman / Stringer

イギリスの偉大な発明家であり、家庭用コンピュータ・システムの先駆者だったクライブ・マールス・シンクレアが長い闘病の末、現地時間の9月16日に81歳で亡くなったことが明らかとなっている。

娘のベリンダ・シンクレア(57歳)がイギリスの『ガーディアン』紙に対して父のクライブ・マールス・シンクレアが9月16日の朝に自宅で亡くなったと語っている。

「父はとても素晴らしい人でした」とベリンダ・シンクレアは述べている。「もちろん、父はとても聡明な人で、常に何事にも興味を持っていました。私の娘とその夫はエンジニアなので、父は娘夫婦とよく工学技術の話をしていました」

クライブ・マールス・シンクレアは小型電卓(ポケット電卓)を発明しており、1982年にイギリスで発売された人気の家庭用コンピュータの「ZXスペクトラム」を開発したことで広く知られている。「ZXスペクトラム」は競合するアメリカのコモドール社が手掛けた「コモドール64」と共に家庭用コンピュータの普及に貢献したと言われている。

「ZXスペクトラム」の発売によってイギリスの市街地で手頃な価格のコンピュータを購入できるようになったという。このコンピュータは全世界で500万台を売り上げており、家庭用コンピュータ・システムの未来を切り開いたとも言える。

クライブ・マールス・シンクレアは17歳でイギリスの高等教育機関を中途退学すると、技術ジャーナリストとして働きながら自身初のビジネスを立ち上げるための資金を準備して、電機機器企業としてシンクレア・ラジオニクス(後のシンクレア・リサーチ)の事業を開始している。大型の電卓が大半を占めていた1970年代の初め頃にシンクレア・ラジオニクスはポケットサイズの電卓を数多く開発している。

「父はサイズの小さい安価なものを作って、多くの人々が手ごろな価格で購入できるようにしたかったのです」とベリンダ・シンクレアは説明している。

シンクレア・ラジオニクスは複数回の社名変更等を経てシンクレア・リサーチとなっており、1980年代に入るとその名が広く知られるようになった。同社は初期のZXコンピューターをいくつか開発した後、「ZXスペクトラム」を制作して1982年に発売している。同コンピュータ^は洗練されたデザインと手頃な価格で、またたく間に当時のヒット商品となっている。

その後、間もなくして「ZXスペクトラム」向けのゲーム作品の『ジェットセットウィリー』、『チャッキーエッグ』、『マニックマイナー』などの名作ゲームが制作されている。さらに『チェイスH.Q.』、『バブルボブル』、『ディジー』など、従来よりも難易度の高いゲームも「ZXスペクトラム」向けに発売されている。

「ZXスペクトラム」はその生みの親であるクライブ・マールス・シンクレアとともにゲームの歴史にその名が刻まれている。

クライブ・マールス・シンクレアには娘のベリンダ、息子のクリスピン(55歳)とバーソロミュー(52歳)、そして5人の孫と2人のひ孫がいる。

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