Photo: Sony

ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントはイギリスのゲーム開発スタジオであるファイアースプライトを買収したことを発表している。これによりファイアースプライトはプレイステーション・スタジオの傘下に加わる14番目の開発スタジオとなる。

プレイステーション・スタジオの統括責任者を務めるハーマン・ハルストは公式サイトのブログ記事で次のように述べている。「ファイアースプライトが14番目のスタジオとしてプレイステーション・スタジオの一員に加わることとなります!ファイアースプライトのメンバーにはソニー・インタラクティブ・エンタテインメントのスタジオ・リヴァプールの出身者も多く、再び迎え入れることができてとても嬉しく思います」

一般にはあまり知られていないが、ファイアースプライトの開発メンバーたちはこれまでゲーム業界で様々な功績を残してきた。ハーマン・ハルストがブログ内で触れているように、ファイアースプライトはSIEスタジオ・リヴァプールの元メンバーたちが2012年に設立したスタジオとなっている。さらには、イギリスのゲーム業界に古くから携わってきたスタジオであるシグノシスがその前身にあたる。SIEスタジオ・リヴァプールは初代プレイステーションの時代から、現SIEのファースト・パーティ作品の名作シリーズの1つであるSFレースゲーム『ワイプアウト』シリーズの開発を手がけていた。

ファイアースプライトは特にヴァーチャル・リアリティの作品で知られている。SIEジャパン・スタジオと共同で『プレイルーム』や『プレイルームVR』を開発したほか、オリジナル作品としては1人称SFホラーゲーム『ザ・パーシステンス』の開発を手がけていた。同作は当初プレイステーションVRなどのVRプラットフォーム向けにリリースされており、その後VR以外のプラットフォーム向けにもリリースされていた。

ファイアースプライトでマネージング・ディレクターを務めるグレアム・アンカースは同ブログ記事で次のように述べている。「イギリス北西部のリヴァプールに拠点を置くファイアースプライトは開発するあらゆるゲーム体験に革新をもたらすことをビジョンに掲げ、2012年に創設されました」

彼は次のように続けている。「これまで光栄にも業界内の優れたメーカーやパブリッシャーと協力してゲームを制作してきました。特にプレイステーションとは長きにわたり素晴らしい共同開発関係を築き、『プレイルーム』や『プレイルームVR』といった数多くの素晴らしいタイトルを共に生み出してきました」

「そして、これからはファーストパーティー・スタジオとして、プレイステーションの全面協力のもと、創造力と新たな技術が融合した実にユニークな体験を、プレイステーション ファンの皆さんにお届けすることができます」

今回の発表ではファイアースプライトが今後手がけていくゲームについては言及されていない。しかし、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントが9月10日午前5時から予定している「プレイステーション・ショーケース 2021」の前日にあたる本日9月9日に公表されており、同イベントで『ワイプアウト』シリーズの新作が発表される場合には非常に効果的なタイミングでの買収発表になる。

また、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントはプレイステーション5向け次世代VRシステム「プレイステーションVR 2」の発売に向けて準備を進めており、VRゲームの開発経験が豊富なファイアースプライトがソニー・インタラクティブ・エンタテインメントの今後の計画の鍵を握っている可能性もある。

その他のニュースとして、2022年3月に発売予定の『マーベル ミッドナイト・サンズ』は以前から戦略ゲームの要素については公表されていたが、9月8日にYouTubeで配信された「ショーケース」ではRPGの要素が「ゲームの半分」を占めるタクティカルRPGになることが発表されている。

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