Photo: Sega Megadrive

海外フォーラムサイト『リセットエラ』のユーザーである「Water」が、1988年に発売されたセガの家庭用ゲーム機「メガドライブ」向けのゲーム作品のスクリーンショット、ボックスアート(ゲームのパッケージ)、説明書の翻訳(日本語から英語など)をデータベースとして保存する活動を進めている。

Waterは現地時間7月31日に「私が取り組んでいるささやかな趣味」として自主プロジェクト「VGコンプリート」の内容を『リセットエラ』で共有している。Waterは既存のレトロゲームのデータベースは「ある意味で退屈」だとして、VGコンプリートを自主制作したと述べている。

「VGコンプリート」は家庭用ゲーム機「メガドライブ(アメリカ版はセガ・ジェネシス)」のゲームのデータベースとして、各ゲームのスクリーンショット、ボックスアート、説明書などを掲載している。このプロジェクトは北米限定版である「NTSC-U」版のセガ・ジェネシスのゲームタイトルをはじめとする作品を保存対象にしている。

Waterはこれまでに800ドル(約87,700円)を費やしてきたが、データベースの拡充には多くの協力が必要になると述べており、費用の大半はWaterが雇っている翻訳者に支払われたという。Waterは『リセットエラ』で「レトロゲーム自体は翻訳されているものの、ゲームの操作マニュアルがまだ翻訳されていない作品が数多く存在します」とコメントしている。

Waterが自主制作したWebサイト「VGコンプリート」には、1994年にゲームフリーク社が開発し、セガが発売した横スクロール・アクション・ゲーム『パルスマン』をはじめ、これまでに日本版タイトル8作品のマニュアルの翻訳が掲載されている。

データベース「VGコンプリート」を立ち上げたWaterは将来的に「メガドライブ」以外の家庭用ゲーム機作品の保存にも取り組みたいとしており、「一度に1つのゲーム機と1つの地域に集中し、特定のゲーム機のラインナップが100%に仕上がってから、次のゲーム機の作品に取り掛かりたいです」と述べている。

昨今では過去のゲーム作品の保存と記録が重要視されており、ゲームの保存・記録を目的としたオンライン・ゲーマーのコミュニティも存在している。ファンのためのエンターテイメント・データベース『ファンドム』にあるコミュニティの1つ「ロスト・メディア・アーカイヴズ」では、時間の経過と共に失われつつあるゲームのオリジナルのソースコードやロムファイルの情報を公開している。

ゲームの保存・記録に関するニュースとして、アクションRPG『マス・エフェクト』シリーズの3作品を収録したリマスター版『マス・エフェクト・レジェンダリー・エディション』が今年5月に発売されているが、2009年にリリースされたダウンロード・コンテンツの『ピナクル ステーション』が収録されていないことが明らかになっている。これは、エレクトロニック・アーツ社がこのコンテンツのバックアップを破損したことにより、ファイルのソースコードを紛失したためであるとされている。

その他のニュースとして、グーグルがクラウド型のゲーミング・プラットフォームの導入を希望する開発者に対して、グーグル・スティディアのインフラを提供する可能性があると報じられている。このニュースは「当社のインフラとツールを新たなパートナーに提供する重要な機会です」と記載されている同社の求人情報によって明らかとなっている。

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