ビデオゲーム・チャット・コミュニティを運営するディスコード社は、プラットフォームの安全性を高めるためにソフトウェア開発会社のセントロピー・テクノロジー社を買収したことを発表している。
セントロピー・テクノロジー社はAIを利用してSNS上の攻撃的な投稿を検出して削除するソフトウェアを開発しており、今後はディスコード向けにもそのAI技術が提供されると見られている。同社のAI技術はネットワーク上のハラスメントや攻撃的な投稿を監視し、一般のユーザーが問題のあるユーザーをブロックできるようになっている。
今後はディスコード上でもツイッターのようにユーザーが目にする前にハラスメントや攻撃的なメッセージが自動的に削除されることになる。
セントロピー・テクノロジー社の最高経営責任者であるジョン・レッドグレイヴは現地時間7月13日に同社の公式ブログで今回の買収について発表し、「私たちはインターネット上のヘイトや誹謗中傷と戦い続けるためにディスコード社に仲間入りしました」と述べている。
また「私たちが初めてディスコード社の共同創設者であるジェイソン・シトロンとスタン・ビシュネフスキーと会った時、ソーシャル・メディアとユーザーのあり方に対して同じヴィジョンを描いていることが分かりました。ディスコード社と協力することで、このヴィジョンを実現できる可能性が高くなると信じています」と続けている。
ディスコードは主にゲーマーたちによって利用されているものの、過去には複数の極右グループが使用していたこともある。ディスコードの運営が開始されて以降、多くの注意すべきグループは一掃されてきたが、アメリカでは複数の白人至上主義グループがディスコードを活動の拠点にしていたこともあった。
ディスコード社の関係者は、同プラットフォーム上で2020年の1年で2,000件以上の過激派コミュニティを削除したことを発表している。ユーザーから寄せられた報告の内訳によると、37.3%がハラスメントに関する苦情となっていた。
セントロピー社はツイッター向けに提供されているソフトウェア「ディフェクト・アンド・ディフェンド」のサービスを9月30日に終了する予定となっている。「ディフェクト・アンド・ディフェンド」はネット上の悪質なコンテンツを自動的に検出し、ユーザーは特定のユーザーをブロックすることができるようになっている。また、個人ユーザー向けに提供されていた特定のタイプの攻撃的なメッセージを判別するためのソフトウェアは、7月1日にサービスが終了している。
その他のニュースとして、『ニンジャ・ガイデン:マスター・コレクション』のグラフィックを改善するPC向けのアップデートが配信されている。
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