カプコンは自社が開発した複数のゲームにおいて著作物を無断で使用したとして訴えを起こされている。
デザイナーのジュディ・A・ユラチェクはアメリカ現地時間6月4日にコネチカット州の裁判所に訴状を提出し、カプコンがジュディ・A・ユラチェクの著作物である『サーフェシズ』から多数の写真を無断で使用したと主張している。
『サーフェシズ』は1200枚以上の様々な写真を収録した、アーティスト、デザイナー、クリエーター向けの写真集となっている。
また、1996年に出版されたこの写真集にはすべての画像を収録した付属のCD-ROMがついている。訴状の中でジュディ・A・ユラチェクは、カプコンが『サーフェシズ』から80枚以上の写真を無断で使用したと主張している。
訴えによると、『バイオハザード4』のロゴも著作権侵害の疑いがある例の一つとなっている。ロゴの「4」のテクスチャーには割れたガラスの画像が使われているが、その素材写真はジュディ・A・ユラチェク本人がイタリアで撮影したものであるという。
裁判用の資料として100ページを超える証拠書類が提出されており、申し立てによるとカプコンが複数のゲームで200回にわたって彼女の写真を無断で使用していることが示されている。
『ポリゴン』はこの裁判用の資料を入手しており、資料のなかで彼女の弁護士は「カプコンが違法行為を繰り返している」と主張している。
裁判用の資料には他の作品のテクスチャーでもジュディ・A・ユラチェクの写真を無断使用していることが記載されており、具体的なタイトル名として『デビル メイ クライ』、初代『バイオハザード』のリメイク版、『バイオハザード4』などが挙げられている。
さらにジュディ・A・ユラチェクは、昨年カプコンがデータのハッキングの被害に遭った際に流出した資料のファイル名が、彼女が使用していたものと一致していることにも言及している。例えば、カプコンが初代『バイオハザード』のリメイク版に使用した金属テクスチャーの画像は「ME0009」という名前になっているが、これは彼女の写真集のCD-ROMからファイル名ごと流用されたものであるという。
『ポリゴン』によると、カプコンの担当者は次のように述べているという。「提訴については把握しています。それ以上のコメントはありません」
その他のニュースとして、先週カプコンはDRM(デジタル著作権管理)技術の1つである「デヌーヴォ」をハンティング・アクション・ゲーム『モンスターハンター:ワールド』のスチーム版から削除したと発表している。
2018年に発売された『モンスターハンター:ワールド』のスチーム版にはゲームの不正コピーや違法販売を防止するため、ゲームの起動時にオンラインでライセンス認証を必要とするDRMのシステムが導入されており、以前から批判の的となっていた。
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