Photo: Microids

アドベンチャー・ゲーム『シベリア』の開発元であるミクロイズ社は5月29日に、ブノワ・ソーカルが長い闘病の末に66歳で亡くなったことを正式に発表している。

ブノワ・ソーカルはベルギー・ブリュッセル出身の漫画家であり、アドベンチャー・ゲーム『シベリア』を手掛けたゲームクリエイターとしても知られている。

ブノワ・ソーカルは、1978年に雑誌『ア・シュイーヴル(À Suivre)』で漫画家としてのキャリアをスタートさせており、煙草と酒をたしなむ不機嫌なアヒルの探偵を主人公にした漫画『カナルド警部』シリーズを制作している。

彼が最初に開発したゲームは、一人称視点のファンタジー・グラフィック・アドベンチャー・ゲーム『アメルゾン』であり、ビジュアル・デザイナーでありながらゲームの開発全体を統括するブノワ・ソーカルは、当時としては異色の存在となっていた。

ブノワ・ソーカルは『アメルゾン』に続いて『シベリア』の開発を指揮していた。2002年に発売された『シベリア』は、主人公のケイトがヨーロッパやロシアを舞台に活躍するアドベンチャー・ゲームとなっている。

このゲームは商業的な成功を収め、全世界で50万本以上を売り上げ、ブノワ・ソーカルはフェニックス・アウォーズのパーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

この成功によりシリーズの継続が決定し、ブノワ・ソーカルはその後もチームを率いて数多くの続編を制作している。彼は死の直前まで『シベリア:ザ・ワールド・ビフォー』の開発チームを統率していた。

『シベリア:ザ・ワールド・ビフォー』は、シリーズの主人公であるケイトの物語が描かれている一方、1973年のタイムラインには新キャラクターのダナ・ロゼも登場する。

長年一緒に仕事をしてきたチームは、5月29日にブノア・ソーカルの死を事実と認めて次のように述べている。「ミクロイズチーム全員が彼の家族や友人と悲しみを共にしています」

ミクロイズチームは、ブノワ・ソーカルを「真に先見の明があり、非常に才能のあるアーティストでした」と評し、次のように続けている。

「ブノワ・ソーカルは、ミクロイドの歴史に不滅の足跡を残しました。彼は自らのビジョンを世界に伝える努力をしました」

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