Photo: Activision Blizzard

マイクロソフトはアクティヴィジョン・ブリザードの買収が承認されれば、『コール オブ デューティ』を今後10年間、任天堂のプラットフォームに提供すると発表している。

Xbox部門のトップであるフィル・スペンサーはツイッターで次のように発表している。「マイクロソフトはアクティヴィジョン・ブリザードならびに(傘下の)キングと合併した後、『コール オブ デューティ』を任天堂に10年間提供することをお約束します。マイクロソフトはより多くの人々が、より多くのゲームを楽しめるよう支援していきます」

さらに、フィル・スペンサーは買収が承認されれば、マイクロソフトは『コール オブ デューティ』シリーズの作品を「Xboxと同時に」スチームでも提供していくとコメントしている。

マイクロソフトはすでにソニーに対して同様に今後10年間『コール オブ デューティ』をプレイステーションで提供すると提案したが、ソニーからの正式な回答はない。ただ、ソニーはマイクロソフトがアクティヴィジョン・ブリザードを買収して『コール オブ デューティ』シリーズを所有すると、ゲーム機を(プレイステーションなどからXboxに)乗り換えるプレイヤーが増える可能性があるとしている。

フィル・スペンサーは『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材で「10年契約」について次のように語っている。「我々が本当に約束を守るのか、という懸念があるのは承知しています。業界の大手2社(マイクロソフトと任天堂)が、我々の意思は本物でお互い同意できると今回示すことが重要だと思っています」

マイクロソフトは1月にアクティヴィジョン・ブリザードを推定687億ドル(約7兆9000億円)で買収すると発表している。現在、米国の連邦取引委員会や英国の競争・市場庁など、複数の規制当局が買収に関する調査を進めている。

先月、フィル・スペンサーは『ザ・ヴァージ』のポッドキャスト「ディコーダー」で、買収は『コール オブ デューティ』シリーズのIP獲得よりも、ゲームのモバイル対応に注力していくためだとコメントしている。

「スマートフォンなど、遊びたいと思えるようなデバイスで(ゲームをプレイする)顧客を獲得できなければ、ゲーム市場のなかでもニッチな層を狙うことになり、グローバル規模でビジネスを運営するのが非常に難しくなります」とコメントしている。

現時点で、『コール オブ デューティ』シリーズのゲームはNintendo Switch向けには発売されていない。任天堂の家庭用ゲーム機向けに発売されたシリーズ作品は、2013年に発売されたWii U版『コール オブ デューティ ゴースト』が最後となっている。それ以前には『コール オブ デューティ 4 モダン・ウォーフェア』や『コール オブ デューティ ワールド・アット・ウォー』など、いくつかの作品がニンテンドーDSとWii向けに発売されている。

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