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アクティヴィジョン・ブリザード社はオールバニー支社の労働組合結成に向けた投票方法を不服として、土壇場で全米労働関係委員会に結果の開票時期の延期を申請したと報じられている。

アクティヴィジョン・ブリザード社は今年8月、全米労働関係委員会(NLRB)の公聴会で、ニューヨーク州のオールバニー支社で実施されている労働組合結成に向けた投票について、QA(品質管理)スタッフ以外の開発者にも投票権を与えるべきだと主張していた。

『ゲームズ・インダストリー・ドット・ビズ』によると、NLRBはこの主張を退けたが、今回アクティヴィジョン・ブリザード社は不服を申し立てを行い、審理の結果が出るまで、投票結果の集計を保留するようオールバニー支社に要求している。

『PCゲーマー』によると、投票は10月27日に実施されており、アクティヴィジョン・ブリザード社は不服の申し立てをして最後まで労働組合の結成に反対する姿勢をみせている。

アクティヴィジョン・ブリザード社の広報担当者は次のように述べている。「私たちは従業員一人ひとりの意見に耳を傾け、労働組合に参加する権利と、確実な情報に基づいて意思決定する権利を尊重しています」

さらに次のように続けている。「(今回の投票は)オールバニー支社に本拠地を置く『ディアブロ』の開発チームのメンバー全員のみならず、当社の様々な業務が同支社のリソースを共有しており、会社全体にも多大なる影響を与えかねません。このため、重要な従業員ではあるもののチーム全体のごく一部でしかない18人のQAテスターだけでなく、107人のメンバー全員が投票に参加するべきです」 加えて次のように説明している。「労働組合の主導者だけでなく企業側にも意見を主張する権利があります。投票の参加人数について全米労働関係委員会に不服の申し立てを行っています」

しかし、米最大の労働組合であるアメリカ通信労働組合(CWA)の書記長であるサラ・ステフェンスは「全米労働関係委員会の対応を信じている」と指摘している。

サラ・ステフェンスは次のように述べている。「残念なことですが、性的暴力の事実を隠蔽するなどして従業員を黙らせようとしてきた会社が、今回、労働組合の投票を妨害して、再び従業員を抑圧しようとしているのはある意味当然だと言えます。オールバニー支社の従業員は雇用主の不当な扱いから自分たちを守るために、強力な労働組合を結成する必要があるという結論に至ったのです」

「アクティヴィジョン・ブリザード社の経営陣は中立を保つどころか意味のない議論を繰り返して、労働者が組合を作ったり団体交渉をする法的権利を侵害しています。このことから、同社の経営陣がニューヨーク州やウィスコンシン州だけでなくアメリカ全土で、労働組合が組織されるのを脅威と捉えているのは明らかです」

関連ニュースとして、アメリカ通信労働組合は先週、アクティヴィジョン・ブリザード社のチーフ・コミュニケーション・オフィサーが社内メールで「(オールバニー支社の)労働組合を中傷した上、組合に加入した従業員の昇給や福利厚生の改善を承諾しないと脅迫し、組合への加入や支援を監視しているような印象を与え」たことが不当労働行為にあたるとして、同社を再度告発している。

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