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アクティヴィジョン・ブリザード社がレイヴン・ソフトウェア社の組合員に対して違法な報復として昇給を不当に見合わせたと全米労働関係委員会が指摘している。

『ワシントン・ポスト』によると、全米労働関係委員会はアクティヴィジョン・ブリザード社がレイヴン・ソフトウェア社の品質管理部門の従業員に組合活動を理由として昇給を不当に見合わせていると報じている。

この調査結果を受けて、アクティヴィジョン・ブリザード社とレイヴン・ソフトウェア社の品質管理部門の従業員は引き続き労働協約に関する交渉を続けると見られている。両者の間で合意に至らなければ、全米労働関係委員会はアクティヴィジョン・ブリザード社を提訴する可能性がある。さらに、アクティヴィジョン・ブリザード社が和解を拒否した場合、米国連邦地方裁判所で争うとみられているが、事態がそこまで発展する可能性は極めて低いと思われる。

全米労働関係委員会の元議長であるウィルマ・リーブマンは今回の調査結果を「組合の勝利への序章」と表現しており、「わずかだが(交渉が)有利になります」と述べている。

ウィルマ・リーブマンは次のように述べている。「これは(組合員側の)戦略でもあります。アクティヴィジョン・ブリザード社に労働協約を合意させて、(従業員に対する)違法行為をやめさせるべく、可能な限りプレッシャーをかけています」

一方で、アクティヴィジョン・ブリザード社の広報担当者であるリッチ・ジョージは今回の調査結果を受けて次のような声明を発表している。

「組合結成の是非を問う選挙が保留の間は従業員の昇給を認めないとする全国労働関係法に基づき、レイヴン・ソフトウェア社では新たな給与体系を導入できませんでした。我々は給与体系の変更を計画していなかったからです。雇用主がこの種の昇給を認めてはならないというルールは何年も前から法で定められています」

全米労働関係委員会は今年6月の訴状でアクティヴィジョン・ブリザード社が労働組合活動を行った過去および現在の品質管理部門の従業員に対して、様々な形で報復したと主張している。報復の手段は、従業員12人の解雇、品質管理部門を排除するための組織再編、福利厚生の提供停止、苦情の申し立てなど多岐にわたっている。

レイヴン・ソフトウェア社では品質管理部門の従業員の多くが事前通知もなく突然解雇されたことをきっかけに今年1月に労働組合を結成している。なお、マイクロソフトによるアクティヴィジョン・ブリザード社の買収に伴い、Xbox部門責任者のフィル・スペンサーがマイクロソフトは労働組合の結成に反対しないとの立場を示している。一方で、アクティヴィジョン・ブリザード社はこれまで労働組合の結成に否定的な見方を示しており、非難されてきた。

その他のニュースとして、エレクトロニック・アーツは『ニード・フォー・スピード』最新作の情報を近日公開することを示唆している。

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