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ニンテンドー・オブ・アメリカがセクシャル・ハラスメントを許容して「女性のゲームテスターにとって危険かつ不快な環境」を作り出しているとの告発を受け、同社は本件を調査中だと報じられている。

『コタク』はニンテンドー・オブ・アメリカでプロジェクトに携わっていた現・元ゲームテスターに上記の告発について取材している。

ニンテンドー・オブ・アメリカのゲームテスターはエアロテック社(現アストン・カーター社)から契約社員として派遣されており、元ゲームテスターの1人は社内の状況を次のように説明している。「女性だと(正社員として登用される)チャンスは低いと思います。たいてい(昇進するのは)男性です。男性陣は友人同士であることが多く、スーパーボウルを一緒に観戦していました」

また、別の元契約社員は「情実人事や縁故採用が非常に多かった」と主張している。

ニンテンドー・オブ・アメリカの正社員の1人は製品テスト部門の責任者を務めており、その男性社員が契約社員の予定を管理していたため、別プロジェクトを担当する契約社員を決める権限を持っていたという。

契約テスターとしてニンテンドー・オブ・アメリカに勤務していたクリス・オリスは2014年に退職している。クリス・オリスは、製品テスト部門の責任者が「同僚の女の子全員に手を出そうとしていた」と述べており、同僚たちは彼に近づかないようお互いに忠告し合っていたという。

製品テスト部門の責任者の元で、データ入力のアシスタントとして働いていたアリソンは次のように語っている。「彼(責任者)が『彼女、すごく美人だよね』と他の人に言ったり、同僚を口説いたりするのは、皆知っていました。彼と仲が良ければ、すぐに(別プロジェクトで)担当になれますし、解雇される可能性も低くなります」

アリソンは「(ニンテンドー・オブ・アメリカの正社員の)多くは、テスターたちをデート要員として利用していると評判でした」と続けている。「もし(その正社員から)口説かれていたら、(他の女性たちは)キッパリと断るのはプラスにならないと考えていました」

別の女性の元テスターは「(製品テスト部門は)まるで大学のイベントサークルのようでした」と語っており、不満を口にした場合は「この部署で働くにはタフでなければならない」とたしなめられたという。

また、クィアの従業員はハラスメントの被害を受けやすいとも言われており、ある元テスターはニンテンドー・オブ・アメリカ本社の男性社員からの誘いは常に「私はレズビアンだから……そういう意味ではあなたを好きになれないの」と言って断らなければならなかったと語っている。だが、相手は「え、本当に?でも、誘ってるよね?ただ気のないそぶりをしてるだけだろ」と言いたげな反応を見せるため、不快な気分になって男性の同僚とは「距離を置く」ようになったという。一方で、男性社員と距離を置いたことは自身のキャリアに悪い影響があったと彼女は考えている。

『コタク』は今年初め、任天堂の家庭用ゲーム機でゲームがどのように作動するかの最終確認「ロットチェック」を担当する部署のテスターが12人の代表として、労働条件の改善を求めてニンテンドー・オブ・アメリカの幹部に手紙を送ったと報じている。このテスターは匿名で手紙を送っており、同部署が「女性テスターにとって危険かつ不快な環境」だとして、次のように記載している。「(ロットチェックの職場は)女性が身を置くには非常に不快な場所で、『よそ者』として扱われているように感じました。私が不快に感じる行動をとる人がいましたが、私が『誤解』しているだけなので、人事部には行かないようにと言われました。自分が不快に思ったことに対し、罪悪感を感じさせられたのです。この会社に自分が所属していたり、尊重されていると感じたことは一切ありません」

アストン・カーター社はこの手紙の存在を認めているが、従業員たちが匿名で提出したことを理由に対策を講じなかったと言われている。

また、ニンテンドー・オブ・アメリカの男性社員が契約社員に対してストーカー行為を行ったとの報告も寄せられている。「彼は一字一句違わず、こう言ってきました。もしこのことを報告したらクビにしてやると」

『NME』はニンテンドー・オブ・アメリカ、エアロテック社およびアストン・カーター社にコメントを求めている。

今回の告発を受けて、『コタク』はニンテンドー・オブ・アメリカの社長ダグ・バウザーが同社の従業員に送ったとされるメールを公開している。

「当社は、不適切な行為から従業員や契約社員を守るために厳格な方針を定めています。当社に勤務している方、もしくは当社と協力関係にある方全員には当然これらの方針を遵守すると期待しています。当社では、疑惑が浮上すれば、いかなる場合でも調査しますし、今後もそうします。また、直近で寄せられた告発についても積極的に調査しています」

昨年11月、アクティヴィジョン・ブリザード社でセクシャル・ハラスメントや暴力行為が発生した疑いを受けて、ダグ・バウザーは従業員らに社内メールを送付している。

メールには次のように記載されていた。「ゲーム業界の全ての企業は、誰もが尊重され、平等に扱われる環境を作らなければなりません。また、これらが実行されなければどのような結末が待ち受けているのか、全員が理解する必要があります」

今月初め、ニンテンドー・オブ・アメリカに対して職場環境に関する2度目の労働法違反の申し立てが行われている。今年4月にも、同社の元契約社員が全社会議で労働組合結成について質問したため、雇用を打ち切られたとして労働法違反を申し立てている。一方、ニンテンドー・オブ・アメリカは労働組合結成を妨害していないとして、申し立て内容を否定している。

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