Photo: Jasmin Merdan // Getty

ゲーム開発者のマーク・ヴェンチュレッリはブラジルの国際ゲーム・フェスティバルで「NFTの導入が悪夢である理由」と題した講演を行い、聴衆やスポンサーを驚かせている。彼は当初、「ビデオゲームの未来」について講演する予定だった。

マーク・ヴェンチュレッリによると、イベントの主催者は講演内容の変更に関して事前に許可を出していたという。一方、レイクアやリピオなどNFTおよびブロックチェーン関連企業がスポンサーとして数多く名を連ねていたほか、イベントでは「Web3と新世代のゲーム」についての講演も行われており、スポンサーは彼の講演内容に不満をあらわにしている。

マーク・ヴェンチュレッリは『PCゲーマー』に次のように話している。「スポンサーは激怒したと聞いています。私の講演中に話をさえぎろうとしたのですが、運営側はそれを許さなかったそうです」

さらに、ブロックチェーン関連企業に関して次のように続けている。「ゲーム業界において、ブロックチェーン関連企業は部外者であり、重要視されていません。彼らはこの業界で将来的に何の影響力も持たないので、(ゲーム業界に)関与しようと試みているのです。もし、業界での居場所を与えてしまえば、彼らの思惑通りに、自分たちこそが業界の未来を握るという彼らのシナリオを受け入れることになるのです」

マーク・ヴェンチュレッリの講演はYouTubeに投稿されており、『ユーロゲーマー』が講演資料を英語に翻訳している。資料では、NFTとメタヴァースの世界やプレイ・トゥー・アーンのゲームについてわかりやすく簡潔に解説されている。

また、彼は講演でブロックチェーンを「解決する必要がない問題に対する素晴らしい解決策」だと揶揄しており、分散型システムは大きい組織が自分たちの利益を上げるためにシステム操作の権限を与えるだけで、プレイヤーはゲームを楽しみづらくなると主張している。また、ブロックチェーンの中でも特にプレイ・トゥー・アーンのゲームは、既存のアイデアを改悪しただけで革新的ではないと指摘している。

最近では、2024年リリース予定の「Web3用家庭用ゲーム機」が発表されたほか、元プレイステーション・スタジオのスタッフや『デッド オア アライブ』シリーズの制作者など、経験豊富なゲーム開発者がNFTに特化した様々なゲーム開発スタジオを立ち上げている中、今回の講演が行われた。

NFTの関連ニュースとして、人気YouTuberのローガン・ポールは先日、自身のNFTプラットフォームを通じて世界で最も高価なポケモンカードの「共同所有権」を販売すると発表している。

その他のニュースとして、ゲーム制作者に人気のゲームエンジン「ユニティ」を手掛けるユニティ・テクノロジーズは、アイロンソース社が同社との「合併契約に合意」したと発表している。アイロンソース社はソフトウェア企業で、ユーザーが開発したアプリの収益化をサポートしている。

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