あるユーチューバーが『メトロイドプライム』のBGMのカバー曲やリミックス動画を削除するよう任天堂の弁護士から電話で求められたと報告している。
ユーチューバーの「シナマックス(SynaMax)」は6月14日、「『メトロイド』の曲について重要なお知らせ」という動画を投稿し、『メトロイドプライム』シリーズの楽曲のリミックス動画を削除するよう任天堂の弁護士から直接言い渡されたと明かしている。『VGC』はこの動画の内容を紹介している。
シナマックスは次のように説明している。「5月31日に任天堂の代理人だという弁護士から電話があり、(私が投稿した)9本の動画をチャンネルから削除するように言われました……(『メトロイドプライム』シリーズのBGMを忠実に)再現した曲や、(自分のスタイルで)カヴァーした曲、リミックスなど、残念ながら(今回削除された9本の動画は)すべて(任天堂から曲のライセンス使用のための)強制実施権を受けなければ(YouTubeに投稿)できません」
シナマックスは収益目的ではなく趣味で動画を投稿しているだけだと明かしており、自分の動画の収益をすべて任天堂に渡してもいいので、投稿した動画をYouTube上に残しておきたいと付け加えている。
「なぜ任天堂は(他の音楽制作ファンの同人活動を認める)方向性でやっていかないのか? なぜ任天堂は(他のゲーム制作会社のように)ファン制作の作品を認めないのか? なぜ私が制作した再現曲は、元になっている曲がサントラとして公式リリースされていないのに、削除されなければならないのか?」
一方で、彼が『メトロイドプライム』のBGMを再現する過程を紹介する動画については「任天堂に著作権がある曲ではないので削除対象になりませんでした」と続けている。
任天堂はシナマックス以前にも自社のIPを使用しているコンテンツ・クリエイターの動画を削除しているが、同社の弁護士に直接連絡を受けたことを公に明かしたのはシナマックスが初となる。今年1月、「ギルヴァサナー(GilvaSunner)」はYouTubeにアップロードしていた1000曲以上の任天堂の楽曲を削除するよう同社から要求されている。
5月にはユーチューバーの「デオキシスプライム(DeoxysPrime)」は任天堂から削除依頼を受けて、ファンが任天堂作品のサウンドトラックを使えるようにして欲しいと任天堂に直接抗議している。
デオキシスプライムは次のように述べている。「削除されたサウンドトラックの多くは公式リリースされていません……自分のチャンネルよりも大きなチャンネルが著作権侵害の警告を受けているので、(任天堂のサウンドトラックを使った動画を投稿しているチャンネルは)同じように動画を削除することになるでしょう」
「任天堂の権利を尊重しつつ、任天堂がサウンドトラックを公式リリースしてくれるように、これからも(ファンの私たちが協力して)任天堂に働きかけましょう。リリースされたゲームのサウンドトラックを聴けないのはもったいないです」
その他のニュースとして、500人以上のゲーム産業従事者を対象とした調査によると、約80%が労働組合の結成に賛成していることが明らかとなっている。
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