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マイクロソフトと全米通信労働組合はマイクロソフトがアクティヴィジョン・ブリザード社の買収完了後に、労働組合の結成に中立の立場を維持する「画期的な合意」を締結したとを発表している。

現地時間6月13日に発表されたこの協定には5つの基本条項が定められている。1つ目の条項では、アクティヴィジョン・ブリザード社の従業員が労働組合への加入を希望した場合、マイクロソフトは中立的な立場を維持することを保証している。

その他の条項では、従業員の「労働組合への加入について他の従業員や組合の代表者と自由に話し合う権利を守り、業務上の混乱を回避するために情報共有する権利を行使できる」と記されている。

この労働協定により、従業員らは「労働組合へ加入するかどうかを、革新的なテクノロジーをベースにした意思決定プロセス」で選択でき、加入の有無など従業員の秘密は守られる。さらに、5つ目の条項では「今回の合意に関して全米通信労働組合とマイクロソフトの間で問題が生じ、解決策が見つからない場合、両者は迅速に仲裁手続きを行う」としている。

この合意について、全米通信労働組合の会長であるクリス・シェルトンは次のように述べている。「この合意は、アクティヴィジョン・ブリザード社の従業員が労働組合を結成し、団結して交渉するという民主的権利を行使する道筋となります。マイクロソフトによる買収が完了した後、ゲーム業界の従業員にとっても基準となる骨組みを確立します」

「マイクロソフトと締結した合意のもと、従業員は交渉のテーブルにつくことができます。また、アクティヴィジョン・ブリザード社の買収は同社の従業員やビデオゲームの労働市場に広く利益をもたらすことを保証します。今回の合意は、買収に関して全米通信労働組合が以前から抱いていた懸念を拭い去るものであり、我々はこの承認を支持します。手続きが完了した後に、マイクロソフトと共に取り組んでいくことを楽しみにしています」

今回の労働協定についてマイクロソフトの社長であるブラッド・スミスは次のように語っている。「今月初め、労働組織へのアプローチ方針を発表しました。アクティヴィジョン・ブリザード社の買収はこれらの方針を実践する最初の機会となります」

「今回の合意に至るまでの全米通信労働組合の協力に感謝しています。また、今日のパートナーシップは共に組織を革新し、成長していくための道のりだと捉えています」

マイクロソフトの労働協定はアクティヴィジョン・ブリザード社が労働組合の結成に対して取った行動とは大きく異なっている。アクティヴィジョン・ブリザード社で初めてセクシャル・ハラスメント疑惑が浮上した際、同社はいち早く「組合つぶし」で定評のある弁護士に依頼していた。その数か月後にレイヴン・ソフトウェア社の従業員が組合結成の手続きに取り組み始めたが、同社は組合の結成を承認せず、さまざまな理由を付けて労働組合に反対する社内メッセージを従業員に送っていた。

『ポリゴン』によると、全米労働関係委員会はアクティヴィジョン・ブリザード社が組合結成に関する話を議論する従業員を脅迫していたとされる申し立てに「確証がある」と発表している。

その他のニュースとして、グーグルのエンジニアはAIのチャットボットが感情を持つようになったと主張している。

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