Photo: Nintendo

アメリカの健康保険制度をゲームの難易度にリンクさせる『ドクターマリオ』の海賊版が登場している。

昨年サービスが終了した『ドクターマリオワールド』の穴を埋めるように、今回ファンが制作した『ドクターマリオ インシュランス』が公開されている。この海賊版ではドクターマリオを操作するだけでなく、アメリカの保険制度をゲームの難易度に反映させている。

本作はクリエイターのスティーヴン・ナスと実業家のアイヴィー・フーが開発し、こちらからプレイできる。

https://www.drmarioinsurance.com/

一見すると普通の『ドクターマリオ』に見えるが、「選んだ保険が悪いほどゲームが難しくなる」という。ゲームの難易度は、4つの医療保険から1つを選択し、自己負担額を入力して変更できる。当然、自己負担額が高いほどゲームの難易度が高くなり、カプセルの落下速度やウィルスの数が増加する。

スティーヴン・ナスは『NME』のインタヴューで「もともと『ドクターマリオ』にお役所的な(かたい)要素を入れたら面白くなるだろうと冗談で話していました」と答えている。「初めは(このアイデアを実行に移すことに)ためらいもありましたが、共感してくれる人がいたら嬉しいです」

スティーヴン・ナスによると、選べる医療保険は4つだが、開発当初は「お役所仕事を体験してもらいたくて、もっとたくさんの入力項目を準備する予定でしたが、実現できませんでした」と語っている。

彼は次のように続けている。「開発当初の構想として、(ゲーム内で)保険を選択する場面では実際の保険申請に必要な情報(保険番号、社会保障番号、緊急連絡先など)を入れるなど、面倒な入力画面にする予定でした。ただ、個人情報をそこまで共有する人はいないと気づきました。仮に個人情報を入力してもらっても、私にはデータを保存する術がありませんが」

『ドクターマリオ インシュランス』のウェブページの下部には、メディケア・フォー・オール(訳注:米国の医療保険制度を見直す法案)に寄付のページへのリンクが貼られている。寄付金はブルー・アメリカや、米国議会でメディケア・フォー・オール法案の共同スポンサーになることに同意した政治家に送られる。なお、寄付できるのは米国籍で18歳以上の人に限られている。

スティーヴン・ナスは「ちゃんとした医療保険がないと生活も苦しくなる」と続けている。「こういった考えを伝えるには『ドクターマリオ』の難易度を上げるのが一番手っ取り早いと思ったんです」

その他のニュースとして、プレイステーション・プラスのサービスが大幅にリニューアルされ米国で開始されており、『バイオハザード ディレクターズカット』など様々なタイトルが追加されている。

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