スウェーデンのゲーム会社であるエンブレイサー・グループはスクウェア・エニックスの欧米開発スタジオ3社と『トゥームレイダー』や『デウスエクス』など50タイトル以上のIPを買収したと発表している。
エンブレイサー・グループは現地時間5月2日に発表したプレスリリースで、買収額は約3億米ドル(約390億円)であることを公表しており、対象となる開発スタジオとして子会社のクリスタル・ダイナミックス、アイドス・インタラクティブ、スクウェア・エニックス モントリオールの3社を挙げている。また対象IPには『シーフ』シリーズや『レガシー・オブ・ケイン』シリーズをはじめ『トゥームレイダー』シリーズなど、50タイトル以上のIPも含まれている。プレスリリースでは、『トゥームレイダー』シリーズの最新作について言及されているが、その他のシリーズに関する情報は発表されていない。なお、この契約による株式譲渡実行日は2022年7月から9月中となっている。
スクウェア・エニックスはプレスリリースで「ブロックチェーン、AI、クラウドという領域への投資を推進し、新規事業の立ち上げを加速させる」ためと述べている。
これまで海外スタジオが中心となって開発していた『ジャストコーズ』シリーズ、『ライフ イズ ストレンジ』シリーズ、『アウトライダーズ』等のIPに関しては「引き続きスクウェア・エニックスに帰属する」としている。
さらに「本件を契機に、海外パブリッシング機能の再編を行うことで、現行のガバナンス体制・レポートラインを見直し、当社グループ一体経営を推進いたします。国内外スタジオから今後ローンチされるタイトルのワールドワイドでの売上最大化の実現を目指します」と述べている。
エンブレイサー・グループは買収した「50タイトル以上のゲーム」にどのゲームが含まれているのか、また買収後にそれらのゲームのIPをどのように活用するかについて言及していない。一部のファンからは2012年に発売された『スリーピングドッグス 香港秘密警察』の続編制作を望む声もあるという。
なお、クリスタル・ダイナミックスはXboxゲームスタジオの子会社であるイニシアティヴ社と共同でFPSゲーム『パーフェクトダーク』シリーズの最新作の開発に取り組んでおり、今後も共同開発を引き続き行うという。
今回スクウェア・エニックスが海外スタジオ及び一部IPの売却を実施した背景には、海外スタジオが手掛けたタイトルの伸び悩みが理由の1つと見られている。同社はカナダのモントリオールにある「アイドス・モントリオール」が開発している『マーベル ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がXboxゲーム・パスに登場した後に2021年3月期の「年次報告書」を発表しており、代表取締役社長の松田洋祐は同シリーズについて「(『ガーディアンズ』は成功したものの)『アベンジャーズ』については十分な成果を出すことができませんでした」と述べていた。
その他のニュースとして、テックランド社が『ダイイングライト2 ステイ・ヒューマン』の今後のストーリー展開やアップデートの詳細を発表している。
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