Photo: Interplay

カナダのゲームデザイナーであるスコット・ベニーが逝去したことが明らかになっている。享年61歳だった。彼はインタープレイ・エンターテインメント社で、初代『フォールアウト』や1990年発売のPCゲーム『ロード・オブ・ザ・リング』などのタイトルでゲームデザイナーを務めており、『フォールアウト』シリーズに登場する犬のキャラクター「ドッグミート」の名付け親として知られている。

『PCゲーマー』はスコット・ベニーが肺炎による合併症のため亡くなったと報じている。

スコット・ベニーはインタープレイ・エンターテインメント社在籍時に、ゲームデザイナーとして初代『フォールアウト』と『フォールアウト2』の開発に携わり、『スターフリート・アカデミー』、『スターフリート・コマンド』、『スタートレック:25周年アニヴァーサリー』といったゲーム版『スタートレック』シリーズでゲームライターを務めた。さらに、『キャッスル2:シージ アンド コンクエスト』ではゲームライターを、インタープレイエンターテインメント社のPCゲーム『ロード・オブ・ザ・リング』でプロデュースとデザインを手掛けた。

彼は『フォールアウト』シリーズに登場する犬の人気キャラクター「ドッグミート」の名付け親としても知られているが、ネットニュースサイト『スティーミット』の2017年のインタヴューでは、自身が『フォールアウト』で行った仕事について控えめに語っている。「『フォールアウト』の開発にはそれほど関わっていません。私の仕事はマップをいくつか作成するのと、ハブの一部の作成、それとシステムメッセージくらいでした。あとはミステリアス・ストレンジャーのパークと、ドッグミートという名前を思い付いたくらいです。私のゲームライターとしてのキャリアを通じて、プレイヤーの皆さんの記憶に残るものがあるとしたら、多分この犬の名前くらいではないでしょうか」

スコット・ベニーは『フォールアウト』以外にも、『ディセント』、『ディセント・トゥ・アンダーマウンテン』、『ストーンキープ』、『チャンピオン・オブ・ノーラス』などのゲーム開発に幅広く携わっている。『ダンジョン&ドラゴンズ』、『チャンピオンズ』、『マーベル・スーパーヒーローズ』、『ミュータンツ&マスターマインズ』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ワールド・オブ・ウォークラフト』のテーブルトップRPG版の制作にも携わっていた。

インタープレイ・エンターテインメント社の元従業員でありスコット・ベニーの同僚でもあるジェシー・ハイニグは自身のフェイスブック・ページで弔辞を投稿している。「スコットはいつも優しく元気をくれる人でした。彼にはある障害がありましたが、だからといって弱気になるような人ではありませんでした」

ジェシー・ハイニグは次のように続けている。「彼の抱えている障害は彼という人物のほんの一部分に過ぎません。人々はよく障害を抱えている人と障害そのものを混同したり比較しがちです。例えば『彼は痛みや困難があるにもかかわらず、とてもいい人だった』とか『障害を抱えているからこそ、弱い立場の人のことがわかる』などと言ったりします」

「でも、スコットは決して自分の障害を言い訳にする人ではありませんでした。彼はあくまでも自分の意志で自分の在り方を決め、優しくて周りの人々に影響を与えられる人物になると心に決めていました。自分の抱えている障害に立ち向かうその姿勢は、彼の人となりをよく表していました」

スコット・ベニーの訃報を受けて他にも多くのゲーム開発者がツイッターで弔意を表している。『フォールアウト2』の開発に携わったコリン・マックコムは「人々が彼に尊敬の念を抱いていることを彼は知っているでしょうか。私たちの思いが彼に届くことを祈っています」とツイートしている。

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