ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントの社長兼CEOであるジム・ライアンは、6月から始まる新生「プレイステーション・プラス」になぜ自社の最新作が配信ラインアップに加わらないのか、海外メディアのインタヴューで答えている。
ジム・ライアンは『ゲームズ・インダストリー・ドット・ビズ』の取材に対して「ご存知の通り、現行の『プレイステーション・プラス』でも前例のないことですし、リニューアル後のサービスでもその予定はありません」と語っている。
彼は自社の開発体制は良いサイクルに乗っていると明かしており、「当社はいま投資が成果をもたらし、それが更なる投資と成功に結びつく好循環を生み出しています。我々にとっても、作品にとってもよい流れだと思います」と説明している。
また、次のように続けている。「万が一、自社タイトルを発売初日から定額サービス上で無料配信することになれば、この好循環は断ち切られてしまうでしょう。ゲーム開発において、スタジオが求めるレベルの投資が困難になり、作品の品質も下がってしまったら、ユーザーが望むクオリティの作品を提供することはできないでしょう」
ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントは次世代プレイステーション向けのタイトルに莫大な開発費を投入しており、傘下のゲリラ・ゲームズが手がけるオープンワールド・アクションRPG『ホライゾン フォービドゥン・ウェスト』についてはプレイステーション5向けのタイトルで歴代1位の『マーベル スパイダーマン:マイルズ・モラレス』に次いで第2位の売上を記録するなど、成果を上げている。
一方、マイクロソフトが展開する「Xboxゲーム・パス」では『ヘイロー・インフィニット』や『フォルツァ ホライゾン5』といったXbox独占タイトルがリリース初日からフリープレイ作品として配信されており、ユーザーたちから好評を博している。ジム・ライアンはマイクロソフトと同様のサービスを展開するつもりはないとしながらも、「この場ではあくまで短期的なアプローチについてお話ししています」と述べている。「サービス展開の戦略として、決して今のかたちが最善のものではないでしょう。しかし、あらゆることが瞬く間に変化するのがこのゲーム業界ですからね」
ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントの定額制サービス「プレイステーション・プラス」は、今年6月に合計700本以上のプレイステーション向けタイトルが楽しめる新生サービスへのリニューアルが予定されている。
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