オンラインゲーム『ワールド・オブ・タンクス』を手がけるウォーゲーミング社はロシアによるウクライナ侵攻を支持したディレクターを「解雇した」ことが明らかになっている。同スタジオはベラルーシで設立され、ウクライナの首都キエフにも支社を置いている。
『PCゲーマー』によると、クリエイティヴ・ディレクターのセルゲイ・ブルカトフスキがロシアの軍事侵攻を支持する発言をしたことを理由に解雇されている。
ウォーゲーミング社の代表はこの件に関して声明を発表し、次のように述べている。「セルゲイ・ブルカトフスキのソーシャル・メディアでの発言は個人の見解であり、当社の意見を反映するものではありません。当社は彼を解雇しました。彼は当社の従業員ではありません」
ロシアのメディア『cyber.sports.ru』によれば、セルゲイ・ブルカトフスキは自身のフェイスブック・アカウントに「ドネツク人民共和国(DPR)、ルガンスク人民共和国(LPR)の解放を目的としたロシア軍およびロシア連邦による軍事侵攻を支持します」と投稿していた。なお、この投稿は既に削除されている。
現地時間2月26日、セルゲイ・ブルカトフスキは自身のフェイスブック・アカウントに橋桁が上方向に開いて通行できなくなっている橋(跳ね橋)の写真を投稿し、「(ウォーゲーミング社と)別れました」と報告している。
ウォーゲーミング社は後日、公式ツイッター・アカウントで「従業員の安全と保護が最優先事項です」と述べ、キエフに在籍する従業員たちを支援することを明言している。
同社はキエフにいる550人を超える従業員の援助に全力を注いでいるとし、代替住居の提供、給与の早期支払い、隣国へ避難するための資金などを提供しているほか、キエフ・スタジオが100万ドル(約1億1500万円)をウクライナ赤十字に寄付することを発表している。これらの寄付金はウクライナの病院、医師、避難民のために使われるという。
ゲーム業界ではウクライナを支援する動きが活発になっており、ポーランドのゲーム開発会社であるCDプロジェクト・レッドはウクライナを支援する人道支援組織に約2800万円を寄付することを明らかにしているほか、同じくポーランドのゲーム開発会社である11ビット・スタジオが戦争サバイバル・ゲーム『ディス・ウォー・オブ・マイン』の今後1週間の全収益をウクライナ赤十字に寄付すると発表している。
その他のニュースとして、ロシアによる軍事侵攻を受けてインテル社やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ社(AMD)といった大手半導体企業がロシアへの半導体の販売を停止したことが報じられている。
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