プラチナゲームズの神谷英樹が2017年に開発が中止された幻のプロジェクト『スケイルバウンド』の開発再開に意欲的であることをインタヴューで明かしている。
『IGN Japan』はプラチナゲームズの社長・副社長に就任した稲葉敦志と神谷英樹にインタヴューを行っている。新規IPの開発進捗や幻のプロジェクトに関するトピックの中で、「以前開発中止となってしまったマイクロソフトとの協業タイトル『スケイルバウンド』の再挑戦やセルフパブリッシュとして復活するなど考えていたりしますか?」という質問に対して、稲葉敦志は次のように答えている。「『スケイルバウンド』に関しては神谷はずっとやりたいって言ってますよね。『いつか機会があったら~』のようなお綺麗な感じではなくて、神谷も僕も本当にやりたい。なので、マイクロソフトとちゃんと話し合いをしたいですよね」
さらに神谷英樹は「結構な成果物はあって、あれはマイクロソフトが持っていたってしょうがないんだから、なんとかしたいですよね(笑)。フィル!一緒にやろうよ!」とマイクロソフトXbox部門責任者のフィル・スペンサーに呼びかけている。
神谷英樹は『スケイルバウンド』のディレクターを務めていたが、2017年1月に開発の中止が公式発表されていた。その経緯について、彼はYouTubeチャンネル『Cutscenes』が昨年11月に公開したドキュメンタリーで次のように語っている。
「プラチナゲームズにとってもちょっとチャレンジが大きい作品で、使い慣れない環境というのか、既存のアンリアルエンジンを使った開発であるとか、それからまだ我々がノウハウを持っていなかったネットワークをベースにしたゲームデザインと、ゲームの構築であるとか、プラチナゲームズとしてもチャレンジして乗り越えていかなきゃいけないミッションっていうものが、あまりにも大きかった」
「我々もまだまだ未熟で、その壁を越えられなかった結果、こういうことになってしまったのかなと思います」
「期待してくれていたユーザーに対しても申し訳ないとも思うんですけど、何よりビジネスパートナーとして信頼してくれたマイクロソフトの期待に応えられなかったというのは、クリエイターとしても、プラチナゲームズの会社の人間としても申し訳ないなと思ってます」
アクションRPG『スケイルバウンド』は世界最大のゲームイベント「E3 2014」でマイクロソフトによって初公開されており、Xbox One向けのリリースが予定されていた。この作品はプレイヤーが主人公「ドルー(Drew)」を操作して相棒となるドラゴン「トゥバン(Thudan)」を駆使したバトルを展開する構想となっており、プラチナゲームズが得意としてきたアクション要素に加えて、新しくロールプレイ要素にも力を入れていた。その後、マイクロソフトが2017年に開発中止を発表してIPの権利も同社の所有となっている。
代表取締役社長兼スタジオヘッドである稲葉敦志は『ファミ通』のインタヴューにも応じており、同社が進むべき方向性について語っている。「自社IP作品」として発表された完全新作『プロジェクトG.G.(正式タイトル未定)』について次のように述べている。
「“プロジェクトG.G.”は、まださまざまなことを検証している段階なので、詳しいお話はできないのですが、今後のゲーム制作に関して言うと、これまでとは違う、もっともっと長く楽しめて愛される作品作りに主軸を置きたいという考えがあります」
その他のニュースとして、『フォートナイト』が携帯型ゲーム機「Steam Deck」向けのアップデートを予定していないことが明らかとなっている。エピックゲームズの代表取締役社長であるティム・スウィーニーは自身のツイッター・アカウントで、「Steam Deck」では『フォートナイト』のチート対策が困難なことを主な理由として挙げている。なお、「Steam Deck」はスチームを運営するヴァルヴ社が開発した携帯型ゲーム機で現地時間2月28日に海外で出荷予定となっており、日本でも2月中の発売が予定されている。
Copyright © 2024 BandLab UK Limited. NME is a registered trademark of BandLab UK Limited being used under licence.