スクウェア・エニックスは2021年3月期の「年次報告書」を発表しており、代表取締役社長の松田洋祐はデジタルエンタテインメント事業の概況として『アベンジャーズ』については「十分な成果を出すことができませんでした」と報告している。
同報告書では『ファイナル・ファンタジーVII リメイク』は大きな利益貢献を実現することができたとする一方で、『アベンジャーズ』は厳しい結果になったと述べている。
『アベンジャーズ』は「GaaS(Game as a Service:売り切り型ではなく継続的なアップデートを提供するゲーム)に挑戦した野心作でした」と説明されている。
また、松田洋祐はコロナウイルスの世界的な蔓延により、開発元であるクリスタル・ダイナミックス社のゲーム制作環境に想定外の変化と遅れが生じたことについても触れている。
「コロナ禍に対応した在宅勤務体制へのシフトなど、開発の最終局面における想定外の様々な困難を乗り越えてリリースまでこぎ着けたたものの、残念ながら十分な成果を出すことができませんでした」
さらに、今回挑戦した「GaaS」モデルの教訓と今後の取り組みについては「GaaSというゲームスタイルへ挑戦したことにより、スタジオや開発チームの特性や嗜好に応じたゲームデザインを選択する必要性など、今後のゲーム開発における論点が明確となりました」と述べ、次のように続けている。
「この挑戦から得られた知見を当社の今後のゲーム開発全体に活用してゆきたいと思います。本タイトルにおける新たな挑戦は厳しい結果となったものの、ゲームのサービス化が進展する中で、GaaSというアプローチはさらに重要な位置を占めることは間違いありません。このような流れをどのようにゲームデザインに取り込み、新しい体験を生み出すかが今後の重要な課題であると考えています」
開発元のクリスタル・ダイナミックス社は有料のXPブースター(経験値ブースター)を販売していたが、ファンたちから「ペイトゥーウィン(pay to win:課金することで他のプレイヤーよりも有利になれるアイテム)」だと批判を受け、11月3日に販売を停止している。
同社は「有料のXPブースターについての様々なご意見を真摯に受けとめ、お詫び申し上げます。本件はプレイヤーの皆様のプレイの選択肢を広げることを意図しており、ペイトゥーウィンとなることは予期しておりませんでした」と『アベンジャーズ』公式サブレディットでコメントしている。
その他のニュースとして、2000年4月に発売されたNINTENDO64専用ソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のスピードランの世界最速記録が11月3日に更新されている。記録更新は約3年ぶりとなる。
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