プレイステーション5やXboxシリーズXなどの新世代ゲーム機の入手が困難な状態が続いている中でゲーム機向けの部品不足は2022年あるいは2023年まで続く見通しであることが明らかとなっている。
『ブルームバーグ』によると、新型ゲーム機の製造工程で使用される電力調整用のチップなどを製造している東芝は半導体の供給不足の原因は2つあるとしており、1つは基盤などの部材が思惑通りに調達できていないこと、もう1つは複数の産業でチップへの需要が急増していることと述べている。
同社のインタヴューに対して東芝の半導体子会社である東芝デバイス&ストレージの亀渕丈司半導体事業部長は製品需給は要求に十分答えられず「2022年度の上半期まで逼迫した状態が続き、供給先によっては正常化が「23年にかかるものも出てくる」と述べている。
半導体の供給不足の問題についてはトヨタ自動車のモーター部門が減産に追い込まれるなど、自動車業界や産業機械メーカーなどにも影響が出ているが、ゲーム機などの生産にも影響を与えている。
亀渕丈司は「ゲーム機メーカーは需要が最も高い顧客のひとつです。非常にフラストレーションがたまっている状態が続いており、大変心苦しく思います」と述べている。
また製品供給については「取引先のひっ迫度合いなどを見極めながら、各社の生産ライン全体が停止するリスクや、チップの供給がないと事業が消滅するリスクなどを考慮して、日々対応を検討しているのが実情です」と述べている。
現在、ゲーム機メーカーを悩ませている半導体の供給不足の問題について、東芝は2024年3月までに600億円を投資して電力調整用半導体の生産量を増やす計画を立てており、これによってチップの供給不足は解決される可能性がある。一方で、4年前に発売されたNintendo Switchも同様に既存モデルの需要に応えるのに苦労しており、10月には有機EL(OLED)の新モデルが発売される予定となっている。
ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントの社長兼最高経営責任者であるジム・ライアンはプレイステーション5の生産が需要を満たせるようになるまで「しばらく時間がかかる」と7月の時点で述べていた。また、ソニーはすでにプレイステーション5のデザインを微修正しており、部品不足による生産遅延に多少の改善を見込める可能性があるとしている。8月にはオーストラリア市場で改良型のプレイステーション5が発売されて、その主な改良点は熱管理システムであるとされていた。
その他のゲーム機関連のニュースとしてマイクロソフトがAndroidのアプリケーションをXboxのゲーム機に導入することを検討している可能性があると報じられている。また、ゲームの開発者たちを対象にヴァルヴ社のリリース前の携帯型ゲーム機である「Steam Deck」向けの「開発キット」が公式サイトで受付開始となっていることが明らかになっている。
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