ビデオゲーム・チャット・コミュニティを運営するディスコード社はマイクロソフトとの買収協議を打ち切ったと報じられている。
このニュースは現地時間4月20日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道により明らかとなっている。
内情に詳しい関係者によると、交渉は合意に達することなく打ち切られたが、将来的には買収交渉が復活する可能性はあるという。
3月の時点でマイクロソフトはゲームに特化したチャット・プラットフォームを運営するディスコード社の買収に向けて交渉中であると報じられていた。『ブルームバーグ』は両社の間で取引が成立した場合、買収金額は100億ドル(約1兆800億円)以上になる可能性があると報じていた。
また、匿名の情報源はディスコード社とエピック・ゲームズやアマゾンといった他社との協議も行われているとしていた。
ある情報筋はディスコード社は自社を売却するよりも株式を公開する可能性の方が高いとも指摘しており、これは今回の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道内容とも一致している。
ディスコード社は無料版と有料版のサービスを提供しており、どちらのサービスでもビデオ、音声、テキストチャットを用いてユーザー同士がコミュニケーションをとることができる。有料版のディスコードは無料版とは異なり、より高画質での画面共有、追加のスタンプパック、アップロード制限の拡張などの機能を提供している。
アメリカのブログサイト『テック・クランチ』は昨年12月時点でディスコード社の企業評価額は70億ドル(約7600億円)だと報じていた。
なお、マイクロソフトはゼニマックス・メディアを上記の金額に近い75億ドル(約8130億円)で買収している。このときの買収はゼニマックス・メディアが所有していたベセスダ・ソフトワークス、イド・ソフトウェア、アルカーネ・スタジオを含む世界各地のゲーム開発スタジオも対象となっていた。
先月、米国証券取引委員会と欧州委員会がマイクロソフトによるゼニマックス・メディアの買収が承認されたことを受けて、Xboxゲーム・パスにベセスダ・ソフトワークスのゲームの20タイトルが加わっている。
また、4月20日に発売された野球ゲーム『MLBザ・ショウ21』も追加されており、同タイトルはソニー・インタラクティブエンタテインメントのサンディエゴ・スタジオが開発した作品としてXboxゲーム・パスに加わる初めての作品となる。同社の担当者は『MLBザ・ショウ21』Xbox版の発売はメジャーリーグベースボール側の判断によるものであると明かしている。
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