任天堂の代表取締役社長である古川俊太郎は新しいゲームの開発に生成AIを使うことはないと語っている。
第84期定時株主総会で質疑応答の応じた古川俊太郎はAIを活用した取り組みについて質問を受けている。
「昨今話題になっている生成AIは、よりクリエイティブなこともできますが、一方で、知的財産権に関する問題等も有していると認識しています」と古川俊太郎は説明している。「当社にはこれまで何十年もの間、お客様に最適なゲーム体験を作り続けてきたノウハウがあります。技術の発展に対しては柔軟な姿勢で対応しつつも、単純に技術だけでは生み出すことのできない当社ならではの価値を、これからもお届けしていきたいと考えています」
古川俊太郎は「ゲーム業界においては以前から敵キャラクターの動きなどに AIに近い技術が取り入れられてきたため、ゲーム開発とAI技術はもともと近い関係にあったと考えています」とも述べている。
昨年、プレイステーションの独立系開発者イニシアティヴの担当者は「AIはゲーム開発者の学習のあり方を変えるだろうが、最終的には開発がより効率的になり、より美しいものが人の手によって作られるようになるだろう」と語っている。
一方、エレクトリック・アーツはゲームの開発によりAIをより活用していきたいと述べている。「我々にとっての聖杯は、より大きく、より革新的で、より創造的で、より楽しいゲームをより早く作り、世界中のより多くの人々をより速いスピードで楽しませることです」とCEOのアンドリュー・ウィルソンは語っている。
エレクトリック・アーツにはAIを訓練するための40年分のユーザーデータがあり、それを活用したいという開発者の「リアルな飢餓感」があるともアンドリュー・ウィルソンは述べている。
しかし、任天堂の古川俊太郎は今回の質疑応答でゲーム開発が長期化するのは「避けられない」とも述べている。
「現状のゲーム開発において、開発の長期化、複雑化、高度化は避けられない状況があります。それに対応するための開発リソースの拡充や、必要な投資は継続的に行っています」
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