Photo: Frogwares

ロシア軍が侵攻を続ける中、ウクライナを拠点にするゲーム開発会社のフロッグウェアーズはツイッターで近況を報告して「戦禍を耐え抜きます」とメッセージを送っている。フロッグウェアーズのスタッフの一部は今なお戦火の下でリメイク版『シャーロック・ホームズ:ジ・アウェイクンド』の開発を進めている。

フロッグウェアーズは現在、2006年に発売された『シャーロック・ホームズ:ジ・アウェイクンド』のリメイク版を開発しており、新たに三人称視点、捜査メカニクス、サイド・クエスト、オブジェクト、アニメーション、セリフ、カットシーンなどが追加されている。さらに、2021年発売の『シャーロック・ホームズ:チャプター・ワン』で描かれている若き日のシャーロック・ホームズの後日談を描いた新ストーリーも追加される。

今年5月、同スタジオはロシア軍が侵攻を続ける中でリメイク版『シャーロック・ホームズ:ジ・アウェイクンド』の開発を継続すると発表している。最高経営責任者であるワエル・アムルは次のように述べている。「現在、弊社は従業員に業務を続けるようには求めていません。働ける環境にあって、(自分の意思で)働きたい人だけが開発を続けています。従業員の中には、フルタイムのボランティアとして侵攻の被害を受けた場所で人道支援活動を行ったり、国防軍に入隊した人もいます」

フロッグウェアーズの公式ツイッター・アカウントでは、スタッフの一人がウクライナでの近況を報告しており、開発チームを取り巻く環境が数ヶ月前から再び「厳しく」なっていると述べている。

「夏の間は比較的『平穏』で、ある程度の日常を取り戻すことができたと思った矢先、10月に入ってからはミサイルと自爆型ドローンによる攻撃が繰り返されるようになり、私たちウクライナ市民は精神的にもかなりのダメージを受けています。毎朝、今日も平穏な一日であることを願いながら目を覚まします。そして、いつ空襲が起きても大丈夫なように常に備えなくてはなりません」

「空襲が始まったら、家族とペットを連れてみんなで地下室や避難所、あるいはバスルームに逃げ込みます。空襲のサイレン、防空システムの音、ミサイルの爆音が鳴り響く中、まさかこんなことが自分の生きているうちに起こるなんて、と思いながら私たちはただ身を寄せ合うことしかできません」

「空襲は数分で終わる時もあれば、何時間も続く時もあります。でも、体感では永遠に続くかのように感じて、実際にどのくらい続いたのかわからない時もあります。でも、いつかは止むということは確かです。(空襲が終わると)ニュースや開発チームのディスコード・チャンネル、そしてメッセージ・アプリを使って、空襲があった地域や、知り合いが被害を受けてないか確認します」

フロッグウェアーズのスタッフは次のように続けている。「(ロシア軍は)無能の臆病者で、侵攻がうまく進まず手段も使い果たし、今度は一般市民を狙って、日常生活をめちゃくちゃにして、私たちを凍えさせて飢えさせようとしています」

「それでも私たちは降伏しません。むしろ苦境に立たされると、私たちウクライナ市民がなんのために(ロシア軍に)抵抗して、戦い続け、譲歩もしないのか、その理由を再認識させられます。私たちには戦う理由があります。だから、私たちは歯を食いしばって戦禍を耐え抜き、我が軍を応援し続けます。そして、ウクライナは絶対に勝利します」

「ロシア軍の侵攻が続く中、何らかの形で私たちをサポートしてくれた皆様に感謝します。(クリスマスや新年など)素晴らしい休日をお過ごし下さい。2023年にまたお会いできることを楽しみにしています」

リメイク版『シャーロック・ホームズ:ジ・アウェイクンド』はPC、プレイステーションXboxNintendo Switch向けに2023年の発売予定となっている。ゲームプレイを含むトレイラー動画はこちらから。

その他のニュースとして、小島秀夫氏は『IGN Japan』の取材で、新型コロナウイルスの感染拡大を9・11同時多発テロになぞらえ「ああいった大きな出来事があるとフィクションは変わります」と語っている。

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