Photo: Theo Wargo / Getty Images

小島秀夫は『IGN Japan』のインタヴューで新型コロナウイルスの感染拡大の影響について、9・11同時多発テロ事件が発生した時のように「ああいった大きな出来事があるとフィクションは変わります」と語っている。

コジマプロダクションでは「コロナのためいろいろな計画」に遅れが出ているという。自らが脚本を手掛ける短編映画を制作する話もあったが、コロナの影響で流れてしまったことも明かしている。

また、最新作『デス・ストランディング2』は「テーマから全部」書き直した作品になっているという。

「9.11事件の時もそうでしたが、ああいった大きな出来事があるとフィクションは変わります」と小島秀夫は語っている。「こんなこと起こるわけがないと誰もが思っていたことが実際に起こってしまうと、それ以前に書いたものはエンタメとしては弱くなってしまうんです」

彼は次のように続けている。「これだけのことが起こったのに、それをなかったことにはできません」

「キャラクターは(現実の)この世界に生きているわけではありませんが、受け手側はパンデミックを体験しているので、設定がたとえファンタジーでもSFでも、やっぱり以前のままでは響きませんよね」

また、今年7月にはフランスの極右政治家であるダミアン・リューが小島秀夫を安倍晋三元首相の銃撃犯と誤認して、誤情報を拡散させる事態が発生している。ダミアン・リューに対しては「極右による人種差別的な狂気の沙汰」であると非難する声が上がっている。

小島秀夫は昨今の世界情勢に触れて、次のように語っている。「孤立と分断が現在進行形で続いています。コロナに限らず、世界が大きく変わりつつある、そして元の世界に戻れなくなっているなかで、エンタメはどういう力を発揮できるのかを考えています」

「エンタメは政治に介入することはできませんし、エンタメが武器になることもありません」と彼は続けている。「でも、エンタメがあることで世界を変えることができるし、エンタメを提供してみんなを元気づけたいと思っています。その意味でも、やはり以前の世界観というか、以前の作り方で作品をつくることはできないでしょう」

12月9日、小島秀夫はゲーム・アウォーズ2022のステージに登壇して、近未来を舞台とした『デス・ストランディング』の続編『デス・ストランディング2』の制作を発表している。発売日は未発表だが、キャストにはサム・ポーター・ブリッジズ役のノーマン・リーダス、ヒッグス役のトロイ・ベイカー、フラジャイル役のレア・セドゥが続投して、新たにエル・ファニングと忽那汐里が起用されている。

その他のニュースとして、サンタモニカスタジオは『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』に「ニュー・ゲーム+」モードを来年春に導入すると発表している。

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