チェコのボヘミア・インタラクティヴはミリタリー・ゲーム『アルマ3』を戦争のフェイク動画として利用しないようファンに呼びかけている。
今年2月にウクライナがロシアの航空機を撃墜したとする映像がネット上に出回っていたが、後にこの映像は『デジタル・コンバット・シミュレーター・ワールド』のゲームプレイ映像を加工したものだったことが判明している。
さらに当時、『アルマ3』のゲームプレイ動画がロシアによるウクライナ侵攻の映像としてネット上で拡散されていると報じられていた。
フェイク動画は削除されるまでに11万回以上再生されており、シェア数は2万5000件にのぼっていたという。
『アルマ3』を手がけるボヘミア・インタラクティヴはYouTubeで「『アルマ3』を利用したフェイク動画の見分け方」の解説動画を公開して、概要欄で次のように述べている。
「当社の『アルマ3』を利用した、現実の武力紛争を装う様々なフェイク動画がインターネット上に出回っています」
解説動画では、「無加工のゲーム内映像」とこれまでに出回っていた「典型的なフェイク動画」を比較している。フェイク動画の見分け方として、「カメラの手ぶれ、不自然なエフェクト(VFX)、人が出てこない」などが挙げられている。
『PCゲーマー』によると、ボヘミア・インタラクティヴのPRマネージャーであるパヴェル・クジシュカは声明文の中で次のように述べている。「『アルマ3』が現代の戦争を忠実に再現できているのは喜ばしいですが、実際の戦争の映像と間違われ、戦争のプロパガンダとして利用されるのは好ましくありません」
「過去にもありましたが(アフガニスタン、シリア、パレスチナでの紛争やインドとパキスタンとの軍事衝突でも『アルマ3』のゲーム映像が利用された可能性があります)、最近はウクライナでの戦争に関する映像として頻繁に利用されています」
「当社は各プラットフォーム(フェイスブック、YouTube、ツイッター、インスタグラムなど)に通報することで、フェイク動画への対策を講じてきましたが、あまり効果がありません。動画が1本削除されるごとに毎日10本の新たな動画がアップロードされています」
「フェイク動画に対抗する最善策として、当社はより高いリーチ力とフェイクニュース動画への対策力を有する大手メディアやファクト・チェッカー(フランス通信社、ロイターなど)と積極的に協力していくことにしました」
さらに、ボヘミア・インタラクティヴ『アルマ3』のファンや動画クリエイターに対して「責任をもってゲームプレイ動画を使用する」よう呼びかけている。
『アルマ3』のゲームプレイ動画はこれまでにも頻繁に実際の戦争の映像と間違えられており、本作のウィキペディア(英語版)には「戦闘映像に関するデマ」という項目が作成されている。
Copyright © 2024 BandLab UK Limited. NME is a registered trademark of BandLab UK Limited being used under licence.