『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の開発を手掛けたゲーム・クリエイターの中裕司がインサイダー取引の疑いで、元従業員らに続き新たに逮捕されたことが明らかとなっている。
スクウェア・エニックスはゲーム制作会社のエイミングと共同でモバイル端末向けゲーム『ドラゴンクエストタクト』を開発していたが、中裕司はスクウェア・エニックス在籍中に、同タイトルの共同開発の契約が締結された後、未公開情報を元にエイミングの株式1万株を購入した疑いが持たれている。購入額は約280万円とされているが、中裕司がその株を売却したかどうかは明らかになっていない。
中裕司は1991年発売の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、1992年発売の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』、1994年発売の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』でリード・プログラマーを務めていた。彼は2006年にセガを退社して、その後スクウェア・エニックスに入社している。また、彼は今年4月に、3Dアクション・ゲーム『バランワンダーワールド』のディレクターからの解任をめぐるスクウェア・エニックスに対する訴訟が終了したと報告しており、「ゲームとゲームファンを大事にしないスクウェア・エニックスは駄目だと思います」とコメントしていた。
今回のインサイダー取引事件では、スクウェア・エニックスの元従業員の佐崎泰介容疑者と知人の鈴木文章容疑者の逮捕に続き、中裕司容疑者が11月18日に東京地検特捜部に逮捕されている。『PCゲーマー』によると、佐崎泰介と鈴木文章の両名の名前が、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』などの作品で技術制作やスペシャル・サンクスの欄にクレジットされているという。
2人はエイミングとスクウェア・エニックスとの『ドラゴンクエストタクト』の共同開発に関してインサイダー情報を得て、エイミングの株を合計で約4700万円分購入したとされている。
中裕司らの逮捕を受けて、スクウェア・エニックスはニュースリリースで「事実の解明に向けて、捜査に全面的に協力してまいります」と発表している。
「このような事態が発生したことにより関係者の皆様に大変なご心配をおかけしましたこと、誠に遺憾に存じております。今回の事件に対して、元社員に対する処分を含めて厳正に対処しております」
さらに、同社は次のように続けている。「弊社はこれまで、機密情報の管理体制を整備するとともに、…インサイダー取引の未然防止にむけて制度を厳格に定めるとともに、社内の研修等を通して周知徹底に努めてまいりましたが、今回の事態を厳粛に受け止め、今後は、社内規程をさらに厳格化するとともに、社内教育を、より一層徹底させ、全社を挙げて再発防止に取り組んでまいります」
その他のニュースとして、ブリザード・エンターテイメントは『オーバーウォッチ2』で長い待機列ができている理由について、プレイヤーたちがサポート・ロールをやりたがらないからだと述べている。
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