Photo: Riot Games

ライアットゲームズとユービーアイソフトは、マルチプレイヤー・ゲームでの迷惑行為を防止するために、「人工知能ベースのツール」を共同で研究する「ゼロ・ハーム・イン・コムズ(Zero Harm in Comms)」プロジェクトを発足すると発表している。

両社のマルチプレイヤー・ゲームの代表作として、ライアットゲームズは対戦型シューティング・ゲーム『ヴァロラント』や『リーグ・オブ・レジェンド』、ユービーアイソフトはタクティカル・シューティング・ゲーム『レインボーシックス シージ』を開発している。

ライアットゲームズとユービーアイソフトは11月17日にプレスリリースを発表して、ゲーム内の迷惑行為やハラスメントに対処する方法を研究する「ゼロ・ハーム・イン・コムズ」プロジェクトの発足を公表している。

両社の発表資料によると、この研究は「(両社が開発してきた)AIツールの性能」をさらに強化することに焦点を当てており、「業界全体で共有できるデータベースを使ってゲーム内のデータを収集・分類するエコシステムを構築し、AIのモデレーション機能を(機械学習を通じて)訓練することで迷惑行為を未然に検出・軽減する」という。

ユービーアイソフト・モントリオールの研究開発部門「ユービーアイソフト・ラ・フォルジュ」でエグゼクティヴ・ディレクターを務めるイヴ・ジャキエは次のように説明している。「私たちはゲーム内の迷惑行為を真剣に受け止めていますが、対策が非常に困難な問題でもあります。ユービーアイソフトでは、(プレイヤーの皆様に)安全で楽しくゲームを体験をしていただくために具体的な施策に取り組んできましたが、(今回のように)ゲーム業界をあげて団結することでより効果的に問題解決に取り組めると考えています」

「私たちはコミュニティに直接影響を及ぼすゲーム内環境のデザイナーとして、ライアットゲームズとの技術協力を通して、迷惑行為をより効果的に防止する方法を探っていきます」

「ゼロ・ハーム・イン・コムズ」は始動したばかりだが、ライアットゲームズとユービーアイソフトは研究成果を2023年に「ゲーム業界全体に向けて」公開する予定だという。

ライアットゲームズの技術調査部長であるウェスリー・カーは次のように説明している。「迷惑行為はゲーム特有の問題ではありません。オンラインのSNSサービスを運営しているすべての企業が取り組んでいる問題です。だからこそ、私たちはユービーアイソフトのように安全なコミュニティ作りや、オンライン上の仮想空間を楽しめるように取り組んでいる同業パートナーと協力していくことにしました」

さらにウェスリー・カーは、ライアット・ゲームズが「ゼロ・ハーム・イン・コムズ」を通して「健全で安全、かつ包括的に当社のゲームをプレイできるシステムを開発できる」と語っている。

関連ニュースとして、昨年10月、米国最大のユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」は、若年層のゲーマーの約3分の2がオンライン・ゲームでハラスメントを経験したことがあるという調査結果を報告している。さらに、42%のゲーマーが『ヴァロラント』を最もハラスメンが多いゲームだと回答しており、2番目に『コール オブ デューティ』が僅差で続いている。

その他のニュースとして、『コール オブ デューティ ヴァンガード』がグラミー賞に新設されたゲーム音楽部門にノミネートされている。

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