スクウェア・エニックスは2022年3月期のアニュアルレポートで、日本の少子高齢化により今後は「グローバル市場で通用するヒットタイトル」の開発やブロックチェーンへの投資に注力する必要があると述べている。
先週公開されたスクウェア・エニックスの「2022年3月期アニュアルレポート」には、「今やゲーム産業は、少子高齢化が進む日本市場を主戦場としていては大きな成長を実現することが困難」だとして、スタジオポートフォリオの「見直し」が必要だと明記されている。
日本は高齢者人口の割合が世界で最も高く、先月には75歳以上の高齢者が総人口に占める割合の15%を超えて過去最高を記録したことが明らかとなっている。
同社は「販売本数・ユーザー数いずれにおいても、より大きなスケールをもたらすグローバル市場で通用するヒットタイトルをいかにして生み出すことができるかが事業の要諦となっています」と続けている。
「換言すれば、開発投資を回収し、利益を生み出す収益規模を実現するには、もはや日本市場のみにフォーカスするのでは不十分であり、グローバル市場での成功を前提に開発を行う必要があります」
さらに、「AI、クラウド、ブロックチェーンを重点投資領域」として、「(ブロックチェーン領域を)最も重要なテーマと位置づける」と述べている。
スクウェア・エニックスの代表取締役社長である松田洋祐は「NFTやブロックチェーンの技術がプレイヤー主体の新たなゲーム制作のあり方を実現できるのでないか」と述べていたが、同社は今年6月に開催された株主総会で「(『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のような)既存大型IPのブロックチェーンゲームへの使用は慎重に考える必要がある」との方針を示している。
また今年5月には、スウェーデンのエンブレイサー・グループはスクウェア・エニックスの欧米開発スタジオ3社と『トゥームレイダー』や『デウスエクス』など50タイトル以上のIPを買収したと発表している。その後、スクウェア・エニックスが「資本効率の改善」のために欧米の開発スタジオの株式を売却する予定であり、さらに欧米で新スタジオを開設するのではないかと報じられている。
その他のニュースとして、家具販売チェーンのイケア(IKEA)は協力サバイバルゲーム『ザ・ストア・イズ・クローズド』と同社の店舗が酷似しているとして、開発元にゲーム内でイケアの要素を使用しないよう停止通告書を出したことが明らかとなっている。
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