Xbox部門の責任者であるフィル・スペンサーは最近のインタヴューで、マイクロソフトが予定しているアクティヴィジョン・ブリザード社の買収の決め手となった要因について言及している。
フィル・スペンサーは『ブルームバーグ』のインタヴューでモバイルゲームの人気の高さについて触れており、「残念なことに、マイクロソフトはモバイルゲームの分野で存在感を示せていないと思います。マイクロソフトはゲーム機やPC用ソフトを中心に開発してきましたので、モバイルゲームをヒットさせるノウハウがあまりありません」と述べている。
そして、次のように続けている。「ですが、少なくとも社内ではアクティヴィジョン・ブリザード社のモバイルゲーム分野での開発力、また(アクティヴィジョン・ブリザード社の子会社の)ブリザード・エンターテインメントのPC分野での開発力に注目しています。モバイルゲームとPCの分野に非常に関心があります」
アクティヴィジョン・ブリザード社とブリザード・エンターテインメントは共にモバイルゲームの分野で多くのヒット作を生み出している。最大のヒット作はおそらく、2016年2月にアクティヴィジョン・ブリザード社傘下となったキング社が開発したパズルゲーム『キャンディークラッシュ』だろう。
また、『コール オブ デューティ:モバイル』やPC版の発売後、直ちにモバイル版がリリースされたオンライン戦略カードゲーム『ハースストーン』では、いずれもアクティヴィジョン・ブリザード社やブリザード・エンターテインメントが大成功を収めている。ファンからの評価が非常に厳しかったアクションRPG『ディアブロ イモータル』でさえ、基本プレイ無料ソフトとしてリリースされてからわずか2週間で売上が1960万ポンド(約31億6700万円)を突破している。
さらに、アクティヴィジョン・ブリザード社の2022年第2四半期のモバイルゲームの売上はゲーム機およびPC用ゲームソフトの合計の売上を上回っている。
同社の2022年第2四半期におけるゲーム機およびPC用ゲームソフトの売上は、それぞれ2億7340万ポンド(約441億7800万円)、3億960万ポンド(約500億1800万円)となっている。一方、モバイルゲームのみの売上は6億8430万ポンド(約1105億5400万円)となっており、驚異的な売上を記録している。この数字から、フィル・スペンサーがアクティヴィジョン・ブリザード社の買収によってマイクロソフトの市場をさらに拡大することに興味を持つのも当然といえる。
その他のニュースとして、『スプラトゥーン3』の期間限定の体験版でハッカーが一般に公開されていないゲーム内の情報にアクセスしたとして、9月9日のリリース前にアクセス禁止処分を受ける事態が発生している。
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