Photo: Square Enix

スクウェア・エニックスが「資本効率を改善する」ために、同社が保有する欧米の開発スタジオの株式を売却する予定であると、同社の決算説明会の参加者がツイートしている。

今年5月、スクウェア・エニックスはクリスタル・ダイナミックスとアイドス・インタラクティブをエンブレイサー・グループに売却しており、同社が掲げる「資本効率の改善」に向けた最初の動きだったのではないかと推測されている。

8月4日に開催された第1四半期決算説明会でスクウェア・エニックスは「(開発)スタジオの資本構成の多様化」を図るため次の段階に入ると発表している。

この決算説明会に参加した日本在住の経済アナリストであるデイヴィッド・ギブソンは自身のツイッター・アカウントで、「ゲームの開発費が高騰しているため、(スクエウェア・エニックスは同社が)株式を100%所有する開発スタジオで開発するプロジェクトを選択し、集中するか吟味するだろう。ただその場合拡大は難しくなる」と説明し、スクウェア・エニックスが「開発スタジオのポートフォリオを見直している」と推測している。

さらにデイヴィッド・ギブソンは、「(今回の方針転換で)特に影響を受けるのは大規模なゲーム・タイトルを開発しているEUや米国のスタジオ」であり、今後スクウェア・エニックスは「主に日本市場向けタイトルにリソースを集約」できるようになると指摘している。

また「スクウェア・エニックスはソニーのような企業に株式を売って、自社の資本効率の改善を図っているのです」と続け、スクウェア・エニックスが株式などを売り出した場合、ソニー、テンセント、ネクソンなどの大手ゲーム企業が購入を検討するのではないかと予想している。

しかし、デイヴィッド・ギブソンは、スクウェア・エニックスがクリスタル・ダイナミックスとアイドス・インタラクティブを「14億ドル(約1890億円)で売却し、負債もなく、約8億4000万ドル(約1140億円)とコストが増大しているゲーム開発費は十分カバーできるので、自社スタジオの株式を売りに出す必要はない」はずだと指摘しており、同社が株式を売却することについて「通常では考えられない」と述べている。

今年5月には、スクウェア・エニックスが自社IPのエコシステムを「強化」するために、自社スタジオの設立を計画していることが明らかになっている。

その他のニュースとして、ウクライナのゲーム開発スタジオであるフロッグウェアーズが、クラウドファンディング・サイト「キックスターター」でリメイク版『シャーロック・ホームズ:ジ・アウェイクンド』の開発資金を募集し、掲載開始から6時間で目標額を達成している。同タイトルのオリジナル版は2006年に発売されており、独自のホラー・ジャンルを築いた米国の作家ハワード・ラヴクラフトの世界観が導入されている。

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